性懲りもなく、また ―アルマイトの栞 vol.200
文学全集を揃える趣味は全く無いけれど、河出書房新社が刊行を開始した『日本文学全集』の第一回配本となる池澤夏樹訳『古事記
』に手を出してしまったから、この先が不安で、刊行予定を見ると、町田康訳『宇治拾遺物語』だの、いとうせいこう訳『曾根崎心中』だの、円城塔訳『雨月物語』だの、川上未映子訳『たけくらべ』だの、自分の興味を惹かないわけがなく、だが延々と追い掛け続けたら全30巻にも及び、訳者を選択基準にすれば「全巻購入」の危険を回避できそうなのに、文学全集に付きモノの「月報」の執筆者まで誘惑のタネとなり、『古事記』の月報が京極夏彦さんだったりするから、もうイケナイ。


東京ドームだとか巨大なアリーナ施設が年越しのカウントダウンライヴの会場に選ばれるものだとばかり思っていたので、「寺」は盲点だった。自分のウカツさを猛反省せねばなるまい。寺の境内でカウントダウンライヴを開催してはいけない理由など無いのであって、ウカツな自分を嘲笑うかのように、境内には大小様々な和太鼓がセッティングされており、しかし、その和太鼓の前に並べられた60センチ四方くらいの三枚の板の用途は謎だったが、ライヴのスタートと同時に、板の上で三人が激しいタップダンスを始めた。和太鼓とタップダンスのコラボである。その脇で除夜の鐘が鳴る。前衛的な打楽器アンサンブルに違いない。

