「尺」と「終わり」 ―アルマイトの栞 vol.122
編集中の映像に、やはり曲を付けたいシーンが出て来てしまうわけで、自分でチマチマと音を並べ始めてしまった。気の向くまま音を並べているうちに、ふと思った。「この曲はどのようにして終わるのか」。自分で作り始めておきながら、無責任な疑問である。とりたてて何の計画も描かずに、ボンヤリと音を鳴らし始めた自分が悪い。まるで「即興歌」だ。「唄って」はいないけれど。となると、「即興演奏」とか「インプロヴィゼーション」などとカッコイイ呼び方をしたくなるが、やはり実態は「即興歌」であるらしく、『カメルーン・ピグミーの音楽』の収録曲を思い出した。どの曲も、なんとなく始まり、なんとなく終わる。「子守歌」は、子どもが寝付いたらエンディングなのだ。