どこまでも暫定的 ―アルマイトの栞 vol.126
具体的にどうするか全く目算も無いまま、昨年の春頃に漠然と思い立ち、映像作家の大津伴絵さんと一緒に撮り溜めた半村良さん関連の映像を、ともかくも25分ほどの長さに編集してまとめた。大津さんと編集作業を進めつつ、仕上がる映像を見るたびに、「このシーンはもう少し手を加えたい」などと二人揃って口走り、放っておくといつまでも完成しない雰囲気なので、暫定版と呼ぶことにして作業に区切りを付けようと云う話になった。その暫定版に、よせばいいのに、また二人で手を加えた。暫定版2である。前の版よりホンの少しではあるが、質が上がった。すると、さらに欲をかく二人だ。暫定版3。ろくなものではない。二人揃って「大きい方のツヅラ」を選ぶタワケ者だ。