Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

字 ―アルマイトの栞 vol.161

ある時期、舞台公演のチラシだとか個展のDMだとかを知人から手渡される度に、そこに印刷されたタイトルの文字を見て、フォントの名前を云い当ててしまう原因不明の病みたいな症状に取り憑かれ、悩ましい思いをした。「フォントはChicagoだった」などと憶えているのに、タイトルそのものを憶えておらず、告知をしてくれた相手に申し訳なく、と云うか、失礼だ。その一方で、インパクトのある手描きのレタリングとか、「レタリング」と呼ぶのも憚られる殴り書きみたいな手描き文字だと、驚き、タイトルも憶えるショック症状が出る。近頃の例は、花輪和一さんの『赤ヒ夜』だ。驚き、憶えるどころか、買ってしまった。

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4分を目指して ―アルマイトの栞 vol.160

ほぼ一日中に亘ってカメラの回り続ける映像撮影を、この春から三回ほど繰り返し、それはそれは大変に長尺の映像素材が蓄えられたわけだが、それを編集して、どんなに長くても4分くらいの映像に仕上げる事態となった。目眩がした。素材の映像が無音なので、「4分くらい」の手掛かりがハッキリせず、ふと、「映画の1シーンを編集する」と見なせば旨くいくように思い、映画のサントラがヒントになりはしないかと考えた。BGMを時間の目安として先に決めてしまう手口だ。それでヒントを探し、自室の棚から現れたCDが『ロシュフォールの恋人たち』のサントラで、いかがなものか。そんなノーテンキな音楽を聴いてる場合か。

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ディスクが無いから ―アルマイトの栞 vol.159

どうにかYouTubeでの公開に至った半村良さん原作の映像『環章』だが、今回は当初からYouTube公開だけを目論んだので、DVDなどのディスクは作らなかった。アップロード用とバックアップ用で4枚ほどのディスクが存在するだけだ。昨年の『半村良の空想力』は、DVD版とブルーレイ版のディスクも作って、あちらこちらへ配布して回りさえしたが、今回の『環章』は、実質的に「ブツ」が無い。姿カタチの無いデータが存在するだけなので、「出来ました、コレです」と誰かに見せるとしたら、せいぜいUSBメモリになり、見せられた相手も困惑した挙げ句、力ずくで話を合わせる。「USBを洗濯しちゃったことがあるんですよ」。

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