サブカルチャー図書 ―アルマイトの栞 vol.65
朗読劇を控えた連休の初日に劇作家の宮沢章夫さんに会ったのだった。本を数冊お貸ししていたのを返して頂いたのである。1968年に澁澤龍彦の責任編集で刊行された雑誌『血と薔薇』の復刻版と『ユリイカ』や『太陽』などのバックナンバーで、いずれも特集テーマは「澁澤龍彦」。宮沢さんが早大で担当している授業「サブカルチャー論」の資料としてお貸ししてからたぶん二年が過ぎ、今度は僕の方で必要になったので返して頂いたのだが、なにせ宮沢章夫さんは図書館で借りた本を30年間返さなかった人である。一冊の漏れも無く返却されたのは奇跡ではないか。ちなみに、宮沢さんは30年後に図書館へ本を返しに行ったら、図書館が無くなっていたそうだ。こうした場合の本の扱いはどうなるのでしょうか。