Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

頼れぬ記憶 ―アルマイトの栞 vol.179

自分の描きたい絵を、好き勝手に気の向いた時だけ描いて生きていければ、それ以上の幸福はないと思っており、それで自分の人生は充分なのだが、現実とは甘美なものではないらしく、「ひょっとこ踊りの絵を明日中に」などと頼まれる。よりによって「ひょっとこ」である。記憶だけを頼りに描くと、ナンシー関さんが雑誌の読者投稿企画として主宰した『記憶スケッチアカデミー』の投稿みたいな絵になる。「お題:にわとり」の回では、四本足のニワトリを描いてしまう投稿者が続出し、人の記憶とは、そんなものらしいが、「ひょっとこ踊り」は更に難しい。なにせ、身近に「ひょっとこ踊りの人」が居ないのだから。

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時間が経つ ―アルマイトの栞 vol.178

ベスト盤のアルバムを買うのは、いったい何年ぶりだろう。と、自分でも判らないことを他人に問うても判るわけはないのだが。ともかく、買ってしまったのだ、「毛皮のマリーズ」のベスト盤『MARIES MANIA 』を。しかも、初回限定盤を狙って先行予約までする、自分でも希有な行動だ。初回限定盤にはDVDが同封され、二枚組のCDと合わせて全42曲の収録となり、これらを順繰りに聴いたり視たり、ときには部分的に聴いたり視たりなどしておれば、アッと云う間に三時間くらいは経過し、時計を目にしては驚き、竜宮城に居るのかと思いこそすれ、「私は 人生複雑骨折」などと唄う曲が流れるのは、竜宮城なのか?。

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