向島の日常と電圧 ―アルマイトの栞 vol.87
鈴木一琥さんの町工場ダンス企画『すみだフリオコシ』の第一回収録が終わった。それにしても町工場はいきなり人を驚かせる。金型工場の、通りに面したガラスの引き戸を開けて一歩踏み込んだ目の前に、出し抜けに「200V」だ。何が飛び出すか知れたものではない。200Vは、スタンガンよりも遙かに低い電圧だが、とは云え無闇に身近にあれば確かに危険である。危険ではあるが、個人的にはこの種のサインやピクトグラムが大好きで、この「感電注意」のピクトは本でも見かけるが、これほど間近に見たのは初めてかも知れず、それはそれで嬉しい。「注意」以前に、「この人」はとっくに感電している。