直す作業の拡がり ―アルマイトの栞 vol.130
自宅のTVや電話、ネットの回線仕様を変えねばならず、業者の担当員二人が来て機材やケーブルの交換をした。二人のうち一人は「喋り担当」らしく、終始その喋りに引き留められ、作業は終わり、何をどうしたか見そびれた。見られたら困る作業なのか。作業中の相方は鶴の姿にでもなるのか。「パソコンとかの繋ぎ替えも簡単っ!」と喋り担当が笑い、二人は帰った。翌朝、ネットの接続トラブル発生である。初めて自分の目でケーブルの接続状況を見る。何がどこに繋がっているのか、目眩のする光景が現れた。業者へ電話し、受話器を肩で挟んで説明を聴きつつケーブルの抜き差しをしていたら、電話線を抜いてしまった。こうして人は孤立無援になる。