台本を読む ―アルマイトの栞 vol.42
忙しいからなのか、それとも自分の怠惰のせいか、ここしばらくまともに本を読んでいなかった。自分の人生で猛烈に本を読んだのは十代後半から二十代にかけてだろうか。支離滅裂にいろんなものを読んでいた。その中でも圧倒的に高い比率で読んでいたのは小説だ。芥川龍之介にのめり込む一方でウィリアム・バロウズも読む支離滅裂さだった。そうしていつの間にか小説から遠ざかっていた。相変わらず興味の赴くままにいろんな本を漁っているけれど、なぜか小説を読まなくなっていたのである。何か明らかな原因があるのではなく、ただ「なんとなく」小説から遠ざかった。