か弱く繊細な公演会場 ―アルマイトの栞 vol.72
毎年この時期の恒例になったが、今年も舞踊家の鈴木一琥さん公演『3.10~10万人のことば』に参画している。今年からTetra Logic Studioは照明担当である。それでここのところ、ずっとその照明のことばかり考えているわけだが、諸々の条件ゆえに悩ましく、だからこそ愉しいのかも知れないと、倒錯した心理の中に浸りっぱなしである。つまりはアタマの中が少々混乱気味で、ときにはアナログTVの「砂嵐ノイズ」の中にでも居るような意識の状態である。「最近、どう?」などと人に尋ねられたなら、「調整中」と答えるしかない。