Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

長くする手口 ―アルマイトの栞 vol.138

本の奥付とか映画のエンドロールとか、何であれ「クレジット」の類を、ともすれば本編以上にジッと見つめる傾向があり、花輪和一さん『刑務所の前 』の奥付に表記された「消しゴムかけ=白石幹人(小学館)」などは気になって仕方がない。無闇と情報量の多いクレジットに惹かれる自分で、それゆえにYouTube公開の映像『半村良の空想力』は約24分の本編中、3分46秒がエンドロールになってしまい、自分でもどうかと思うが、更に今さら「出典に『不可触領域』を忘れた」と悔やんだりする。インタビューに登場する画家の岩永忠樹さんは、『不可触領域』の登場人物「岩永」のモデルだった。忘れていた。あと2秒、エンドロールを長く出来たのだ。誰も取り合ってくれそうにない悔悟である。

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PV ―アルマイトの栞 vol.137

音楽を売るために、楽曲に映像を加えた、いわゆる「PV」と呼ばれるものを最初に誰が作り始めたのか、詳しい事情は知らないのだが、少なくとも深夜のCDTVを観ている限り、演歌であろうとPVらしきものは存在し、それは当然のことのようになっているわけで、ふと素朴に考えたとき、誰が何を目論んで思い付いたのかと、どうも気になる。カウリスマキが監督した映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』に触発された誰かが作り始めたとか云う説が流布していたら、たぶん間違いなく「都市伝説」の類だ。ところで、「レニングラード」と入力すると、強制的に「サンクトペテルブルク」と修正変換したがるのを止めさせる方法はないのか。

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