翻訳とルビ ―アルマイトの栞 vol.5
そろそろ年度末である。ここ数年、この時期になると赤ボールペンを握って自宅にカンヅメになる日が続く。国際演劇協会(ITI / UNESCO)日本センターが年度末に刊行する「THEATRE YEAR-BOOK」の校正作業である。200ページくらいはある英語の本の原稿を読みつつ、元の日本語原稿と見比べて、翻訳に誤りが無いか等々をチェックするわけだが、ジャンルによってはかなりこちらのアタマを悩ませる内容がある。日本の伝統芸能である。能とか歌舞伎とか文楽とか日本舞踊について英語で読まされることほどヤッカイなことは無い。