Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

小説バンド ―アルマイトの栞 vol.134

だしぬけに、何の脈略もなく、しかも一人で部屋の片付けをしているときに、「今も『人間椅子』ってバンドは活動してるのだろうか」と思う自分が、心配である。どこから舞い降りてきた疑問なのか判らないまま、片付けを放り出し、別冊太陽『日本のロック50’s~90’s』を開いた。彼らが音楽的に、どう位置付けられていたかを思い出せなかったからだ。本の殆ど最後の、'90年前後のページに小さな写真付きで、『人間椅子』の短い解説がある。「江戸川乱歩の小説を題材としたおどろおどろしいハード・ロック・バンド」。それはそうなのだが、もう少し音楽性に触れたらどうなのか。『人間椅子』と聞いて、乱歩の短編以外に心当たりのある者が大勢居るなら、不安だ。

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箱にしたい ―アルマイトの栞 vol.133

YouTube公開の映像『半村良の空想力』は約24分なのだが、ある人から「CMを抜いた30分番組と同じような尺です」と云われた。たしかに、そうだ。偶然だが「30分番組」になっていた。それならば、同じ尺で二本目を作って「第2話」と云い張ろうか。無体なことをアタマが勝手に考え始め、すると妄想が一気に加速した。「全12話でDVDボックスにしたい」。自宅で3枚組DVDボックス『カリキュラマシーン ベストセレクション』を探した。’70年代放映の、不条理に満ちた、しかし教育番組だ。「幼少期の情操教育」に効果が有るなら、自分の大半を形成した主犯はコイツが疑わしい。なにせ、所有する唯一のDVDボックスがコレだ。どうかと思う。

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世界同時公開にはなる ―アルマイトの栞 vol.132

ディスクで届けて回っていた半村良さん関連の映像『半村良の空想力』をYouTubeで公開しました。御笑覧いただければホントに嬉しい限りです。

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「らしさ」の要素 ―アルマイトの栞 vol.131

ある印刷物の制作打ち合わせで、「新聞的なデザイン」と話が決まり、それで自宅の書棚に埋もれていた『天井桟敷新聞 全縮刷版』を探し出した。寺山修司主宰「演劇実験室 天井桟敷」が、'67年から'83年まで発行していた全26号の「新聞」をA5版に縮刷した本だ。「新聞の模倣」としては秀逸で、その「新聞らしさ」の一つは豊富な掲載広告の存在だと思った。ただ、広告主の多くが飲食店なのはともかく、どこかのキャバレーの「松井須磨子型から加賀まりこ型まで美女3,000名!」と云うキャッチコピーはどうなんだ。「松井須磨子」から「加賀まりこ」までの間の2,998名がどんなグラデーションなのかを教えて欲しい。

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