ジャンルが変わる ―アルマイトの栞 vol.183
「音楽はジンタっぽい曲がいいなあ」と頼まれたような気もすれば、それは依頼ではなく、単なる独り言だった可能性もあるのだが、いずれにせよ、一年前の雑談めいた場で耳にしたことだから、時間の経過する中で「ジンタ」が「トルコの軍楽」に置き換わったとしても、「なんか似たようなものじゃないか」と暴論を展開して切り抜けられるような気がしたもので、『オスマンの響き~トルコの軍楽』のCDを数年ぶりに聴き、「似たようなものじゃないか」は必ずしも暴論ではないように思うものの、この音源のためにオスマン・トルコ軍楽隊の演奏を'70年代に現地録音した小泉文夫さんのような研究者からは激怒される。