Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

ニュータウンと云う場所 ―アルマイトの栞 vol.33

三軒茶屋のシアタートラムで宮沢章夫さん作・演出の『ニュータウン入口』を観たのだった。大規模な集合住宅や山を切り崩して戸建て分譲の宅地開発をして作られる、あの「ニュータウン」の話だ。そして何の偶然か、いまやっているTetra Logic Studioの仕事と舞台の物語が奇妙な一致をしたのである。物語は「新宿まで電車で30分」の新規分譲地のニュータウンが舞台だ。この設定で具体的な場所はおのずとわかる。その分譲地を若い夫婦が購入して家を建てることを考える。夫婦の夢はその新居でささやかな喫茶店を経営すること。これって、明らかにいま僕等が関わっている仕事の一つそのままではないか。終演後、宮沢さんにその話をしたら向こうも驚いていた。

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授業の人数 ―アルマイトの栞 vol.32

大学の夏休みも終わってしまう。また後期も授業に行かなければならない。夏休みの間にサボり癖が付いてしまったような気もするが、そろそろ気分の変え時だ。後期はどれほどの人数の学生を相手にするのだろうか。こればかりはフタを開けてみないとわからない。あまり人数が多いのもどうかと思うのだが、少なすぎるのも気が抜ける。やっぱり教壇に立つって云うのは一種のパフォーマンスだからさ、それなりに観客は居てくれた方がやりやすいのだ。話芸に通じるものがある。

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FPAPで気づいたこと ―発見する場所09

 良く地域と劇場の関係が大事だと語られることがある。
素直に言って、それは東京の人が東京以外の場所で仕事(整理、認識)をするために使われていて、地域の中だけで完結すれば良いとする考え方の延長でしかないと感じることがある。

最近、僕自身は都市全体の舞台芸術の場をどう生み出すかに関心があるので、その立場からは、この考え方はどうも違和感がある。もちろん地域のことを考える必要はある。だが、例えば仙台を考えた時に、仙台の演劇環境と札幌の演劇環境はどう違うかというような都市間の差異をそれ以上に意識する必要があると思っている。舞台芸術の場自体を公共劇場に集約していくことへの違和感もある。

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10年の時間 ―アルマイトの栞 vol.31

10年と云う時間はモノや人をどう変えるのかってことを、なんとなく考えたりするのである。「10年経過した劇場」とか「10年経過した喫茶店」とか、まあなんでも好いのだけど、ともかく10年で何が変わるのか、それとも変わらないのか。そもそも「自分の10年」はどうだ。「この10年」と「これからの10年」ではやはり同じではないだろう。「この10年」はと云えば、先ず丁度10年前に住む場所が変わったな。東京家政学院大学って場所でお世話になることにもなった。Tetra Logic Studioも作ったじゃないか。しかしこれらを含めて全てのことは自分の「これからの10年」を考えるための参考にならないように思う。全てが「予期せぬ事態」の連続だったからだ。

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取材の心 ―アルマイトの栞 vol.30

ともかく『STAGING』の連載原稿執筆は終わった。今回取り上げた「兵庫県立芸術文化センター」は執筆テーマとしてチョット難解なのではないかと危ぶんでいたのだが、いざ書き始めたらわりとすんなり筆が進んだ。何が「難解」だったのかと云うと、それは単純に僕が知らない土地にある劇場だからだ。今まで取り上げた「横浜にぎわい座」「シアターコクーン」「サントリーホール」は自分も馴染みの場所にあるから、取材に行く以前に土地に対する予備知識はある。「北上市文化交流センター」の回は少し悩んだな。何せ「地理」が苦手科目の僕で、酷いことに最初「北上」って云われたとき、「日本のどこ?」って思ったくらいである。北上市の人々には失礼極まりない執筆者だ。

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