Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

「解散」出来ない者たち ―アルマイトの栞 vol.78

あのバンドはまだ活動しているのだろうかと、ふとした拍子に誰かが話題にする状況はありがちなことだが、たいていの場合、居合わせた顔ぶれの中に明確な情報を持っている者は居ない。頼りない憶測が飛び交って、真相はハッキリせず、別の話題になり、翌日になればそんな話題が出たことすら忘れている。「音楽バンドのその後」は、労力を費やしてまで知りたいコトではないものの、気にもなるコトの典型である。だから『バンド臨終図巻』なんて本が出れば買ってしまうのは仕方が無い。'60年代から2009年までの「古今東西のバンド」の解散事情が判る本だ。速水健朗氏をはじめ5人の共著だが、この人たちが居る場で「あのバンドは・・・」と口走ったら朝まで帰らせてくれないのではと不安になる。

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青いキンキラ ―アルマイトの栞 vol.77

また舞台照明の仕事を頼まれてしまった。今度はシャンソンのコンサートである。知っているようで知らないような、なんとも微妙なジャンルだ。とっさに思い出すのは越路吹雪の姿くらいで、それは殆ど偏見かもしれない。「エディット・ピアフも居るでしょ」などと怒られそうだ。何はともあれ、送られて来た当日の楽曲リストを見た。「何曲かは知っている」と思ったが、それはむしろ「思い上がり」だ。「この曲は知っている」とは、えてして「この曲のサビだけは何となく知っている」程度のことに過ぎず、それは「知っている」うちには入らない。つまり、しっかりと聴かなければいけないのだ、リストにある32曲ものシャンソンを。ベスト盤の価値が個人的に急上昇する。

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