「解散」出来ない者たち ―アルマイトの栞 vol.78
あのバンドはまだ活動しているのだろうかと、ふとした拍子に誰かが話題にする状況はありがちなことだが、たいていの場合、居合わせた顔ぶれの中に明確な情報を持っている者は居ない。頼りない憶測が飛び交って、真相はハッキリせず、別の話題になり、翌日になればそんな話題が出たことすら忘れている。「音楽バンドのその後」は、労力を費やしてまで知りたいコトではないものの、気にもなるコトの典型である。だから『バンド臨終図巻』なんて本が出れば買ってしまうのは仕方が無い。'60年代から2009年までの「古今東西のバンド」の解散事情が判る本だ。速水健朗氏をはじめ5人の共著だが、この人たちが居る場で「あのバンドは・・・」と口走ったら朝まで帰らせてくれないのではと不安になる。