いろいろ届くので ―アルマイトの栞 vol.171
2014年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。年末には知人から、多過ぎるとしか思えない量の餅を頂き、ありがたいことだ。宅配便で届いた餅の箱は妙に大きく、厳重にガムテで梱包してあった。風邪気味でグタグタだったが、餅を放置するとロクなことはないので、箱を開けた。大量の餅の他に、蜜柑、リンゴ、そして、なぜか醤油。「日本の近代文学」めいた年末の差し入れで、自分は「東京の下宿で売れない小説を書いてる売れない小説家」だろうか。そんな妄想を抱いたら、箱の底から干し柿が二つ現れた。こうなると、日記帳に万年筆で俳句でも詠むべきではないかと思うが、日記帳も万年筆も持っていない。




決めた日程が当日に延期となり、あらためて関係者同士のスケジュールを調整して再決定となった日程が、その当日になって再び延期となり、そしてまた関係者同士のスケジュール調整が始まる。なんだか、もう永久に「その日」は訪れず、スケジュール調整と日程延期の連鎖する世界に閉じ込められたような気がして、そうだとすれば、極めてレベルの低い悪夢だと思う。レベルの高い悪夢は「ある朝、虫になってた」みたいな話で、それはカフカの『変身』だが、その『変身』が自宅の書棚に3冊も存在すると気付き、それもまた悪い夢のようではある。異なる邦訳を見付けては買ったらしいが、夢中遊行なみに自覚が無い。
