Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

朗読の秋 ―アルマイトの栞 vol.64

8月が終わっていた。なにやらテント劇場に憑かれたような夏だった。黒テントのテント劇場公演が終わった後に他のテント芝居を観に出掛けたり、とにかくテント劇場に縁のある夏だったのだが、秋めいてきて今度は子ども向け朗読劇である。場所は「横浜人形の家」。「任侠の家」ではない。『網走番外地』を朗読するわけではないのだ。むしろ僕としては鈴木清順が監督した『東京流れ者』の方が好きなのだが。なんの話をしているのだ。朗読劇の話だ。「横浜人形の家」でアンデルセンの『人魚姫』と諸々の朗読劇である。

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『新装大回転玉手箱』写真館 ―アルマイトの栞 vol.63

木場公園に特設テント劇場を建てた『新装大回転玉手箱』は、いまだに全国を行脚している。みんなだいぶボロボロなのではないかと思うが、旅公演の様子は宮崎恵治さんのブログで御覧ください。最後の金沢公演までもう少し。それで、特設テント劇場での『新装大回転玉手箱』は今回も舞台写真家の青木司さんに撮影をして頂いた。神楽坂のTheatre IWATOで初演した昨年の『玉手箱』の改訂新作版とは云え、写真で見る限り全く別の舞台である。昨年の『玉手箱』公演の様子は『アルマイトの栞vol.50』に掲載です。

090725_01.jpg 舞台前に吊った紗幕越しの二人芝居から紗幕が消えて、いきなり大勢で唄って踊る。リズムの激しい派手な曲である。作曲をした元「モダンチョキチョキズ」の磯田収さんと二人で話していた時に、磯田さんはボソボソした小声の関西弁で云った。「今回のイメージはファンキーですねん」。その口調はちっともファンキーではないのだった。かつて「モダチョキ」のステージで、フロントに飛び出して来てギターを暴れ狂うように弾いてたのは本当にこの人だろうかと思ったが、曲を聴いて「やっぱりこの人だ」と頷いた。本番初日の前夜にこっそりとアレンジを変えて、無言で帰ってしまったあたり、たしかにファンキーな人である。劇団員は当然のことながら大慌てになった。

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『新装大回転玉手箱』旅へ ―アルマイトの栞 vol.62

090619.jpg 『新装大回転玉手箱』テント劇場の東京公演は無事に終了して、黒テントの人々は7月末までの全国旅公演へと出掛けて行った。それで15日(月)はテント劇場の解体作業だった。テントの幕地を剥がして骨格があらわになった姿は、なんだか壊れていくロボットみたいである。さらに骨格を解体していく作業を眺めていたら、その様子が何かに似ていると思ったのだけど、それはモデルガンの分解である。「スライドストップを外して、フレームとスライドを滑らせて離します」とか云った、取り扱い説明書の文章を思い出したのである。このテントの骨格も同じような仕組みだけど、そもそも部材の形状がガバメントの弾倉に似ている気がする。なんでそんな連想が出てくるのか、自分でも不明である。

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『新装大回転玉手箱』上演中 ―アルマイトの栞 vol.61

090611.jpg 劇団 黒テント『新装大回転玉手箱』は6月5日(金)にどうにか初日の幕を開けたのだが、それにしてもこの舞台で使用している調光卓はどこのメーカなのか。客席後方で、照明の横原さんが何かパチパチと音を立てながら調光していたので、気になってそこへ行ってみたらこんなことになっていたのだった。一瞬、ハモンドオルガンなのではないかと思った。何かの間違いでキース・エマーソンが来たらことである。ステージでいったい何台のハモンドをぶっ壊したか知れたものではないのだ。テント劇場の入り口に「キース・エマーソンお断り」と貼り紙をしておくべきである。いや、むしろ「これはハモンドオルガンではありません」と書いておくべきか。ちなみに、横原さんは決して明和電機のメンバーではない。

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『新装大回転玉手箱』と水路 ―アルマイトの栞 vol.60

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うかつなことを口にしたり文字に書いたりするのはつくづく好くないものだと思った。テント劇場を建て込む日の天気を気にするようなことを書いたら、ろくでもないことになったわけだ。テントそのものが建つ日はまだどうにか天気の崩れはなかった。「テントさえ出来てしまえば、あとは屋内の作業」と高をくくったのが好くなかったのだ。雨を甘く見てはいけない。しかもかなりの土砂降りである。最初のうちは誰もが「少し雨水が下から入ってくるね」ぐらいの認識だったのだが、夕方になる頃にはテント劇場の中に立派な川が出現していた。たしかに「今回の作品は海の底のイメージ」と作者の瑞穂さんが再三に亘って口にしていたけれど、これではまるで『岸辺のアルバム』である。まさかこんなところで水害を体験するとは思わなかった。

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