Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

混ぜて読むと危ない ―アルマイトの栞 vol.99

何冊かの本を併読することはアタマの混乱を招く原因だと知りながらも、つい同時に複数の本に手を出す自分が居る。半村良さん公式ツイッターに引用するフレーズを拾うために半村さんの伝奇SFばかり読んでいるから、併読するにせよ、アタマがゴチャ付かないように異なるジャンルの本を選んでいたつもりなのだが、いつの間にか三冊のSFを併読していた。半村さんの『邪神世界』を読み始めながら、今さらJ・G・バラードの古典『結晶世界』を読んでいた。そこでやめれば好いものを、ふと『宇宙飛行士オモン・ラー』を手に取った。ロシアの作家ヴィクトル・ペレーヴィンの書いた、当然のことながらロシアのSFである。表紙のデザインに惹かれたのがいけない。

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終わらなくする ―アルマイトの栞 vol.98

来年の春頃に、半村良さんの没後10年を記念して何かを画策しなければならず、その布石として半村良オフィシャルサイト公式ツイッターを始めたわけで、それらの日々の更新作業はどうにか続いているが、問題は来年の春に画策しなければいけない「何か」だ。舞台に関わる者としての「業」なのか、放っておくと自分のアタマはすぐに「舞台作品が作れないものか」と考え始める病的な思考回路である。ふと、『戦国自衛隊』を宝塚歌劇にしたらどのようなことになるだろうかと考えたが、「ふと」思っただけだ。タイムスリップに巻き込まれたシーンで20数名の自衛隊員が歌って踊る。誰がそんな舞台を観に行くのだ。

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マイルス・デイヴィスの藪の中 ―アルマイトの栞 vol.97

マイルス・デイヴィス『アガルタ』『パンゲア』の真実 「河出書房から出たばかりの本に、半村良の話題が出てるらしいです」。情報をくれるのは有り難いが、いくらなんでも漠然としすぎではないか。しかも、情報の最後は「らしい」と伝聞だ。このまま半村良オフィシャルサイトや公式ツイッターに掲載してみようかと思ったが考え直し、自分で河出書房のサイトを調べてみると、即座に正解の判らない数量の最新刊一覧と向き合う選択問題になってしまった。『不思議可愛いダンゴウオ』は違うだろうと思うくらいだ。それで河出書房のOさんに連絡したらアッサリと答えてくれた。初めからそうすれば好いのだ。正解は『マイルス・デイヴィス「アガルタ」「パンゲア」の真実』だった。難易度が高過ぎる。「答えだけではなく途中経過もお願いします」と、試験で不正でもしているような気分になった。

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いつのまにか予知能力 ―アルマイトの栞 vol.96

いつまで続くのかと思う半村良作品の読破作業である。よくもまあ書いたもので、自分の読み終えた分量はまだまだ氷山の一角だ。半村さんの作家活動はおよそ40年間で、全作品を読むのに同じ時間が掛かる筈はないが、もしそんなことになったら、自分の寿命の方が先に尽きる可能性が大きい。しかし、半村良オフィシャルサイトの運営や、公式ツイッターの日々更新のためには読み続けるよりない。とは云え、半村さんには申し訳無いが、自分には他にも読みたい本があるわけで、そうなると他の本との併読になってしまい、読むスピードが遅くなる。わりあい短時間で読了したのは『戸隠伝説』だった。土偶と埴輪が戦争する話である。と、紹介されても未読の人は困惑するしかないのじゃないか。

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楽日の後が落ち着かない ―アルマイトの栞 vol.95

どうにも落ち着かない日常になってしまったけれど、Tetra Logic Studioのメンバーは全員無事です。それにしても、ただでさえバタバタと落ち着かない日が続いていたのに、それが不可抗力的に延長されてしまった気分だ。「延長」される前の最後のバタバタは鈴木一琥さんのダンス公演『3.10』だが、これは無事に楽日を迎えた。御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。「去年と同じような照明にはしたくない」とワガママを云った自分のせいで、どうも大変な舞台にしたような気もするが、一琥さんをはじめ、スタッフの知恵に助けられた。誰かが冗談半分に口走った「スマートフォンを使う」が実現したことにも驚いた。照明にも音響にも使えるスマートフォンだったが、操作担当がダンサー本人と云う点で、画期的だ。しかも、一琥さんはPHSしか知らない人である。

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