押上の宇宙人のとなり ―アルマイトの栞 vol.101
鈴木一琥さんの次のダンス公演『Voices of Dragon ~龍の声~』の打ち合わせで出掛けた先は押上で、地下鉄の駅から地上へ出たら、高さ634mの鉄塔が突き刺さっているわけである。東京の下町に、異星人たちの乗った母船が何かの手違いで墜ちて刺さって身動きが取れなくなったのじゃないかと云う光景で、申し訳無いけれど、笑った。遙か彼方に輝く恒星まで、当面は帰れそうにない雰囲気だ。そうなると、困っている異星人を下町の住人たちが助け始めるのではないかと思うわけで、それは半村良さんの『となりの宇宙人』そのままの展開である。「宇宙人は冷奴をひとくち口に入れて首をかしげる」。それはそうだろう。続きが気になる方は河出文庫『となりの宇宙人 』で読んで下さい。