因果関係に悩む ―アルマイトの栞 vol.106
去年の3月が終わる頃、ダンサーの鈴木一琥さんが新しいダンス作品『龍の声 ~Voices of Dragon~』の企画を持ち掛けて来て、それがいつの間にか本番の約一ヶ月前になっている。公演は9月23日(金・祝)の19時で、上演会場は第五福竜丸展示館。江東区の「夢の島公園」内に建つ、トラジャ族の舟形屋根住居を巨大にしたような建物である。保存展示されている第五福竜丸を覆っただけの空間だ。いつものことながら、一琥さんが選ぶ上演会場はこちらのアタマを悩ませるシロモノだが、しかし公演日も会場も去年の3月には決まっていたわけで、ボンヤリしていた自分が悪い。ただ、突如として作品のコンセプトが大幅変更になったのも事実で、それは原子力発電が悪い。

深夜まで営業しているスーパーの閉店近い時間は、総菜売り場になぜアジフライばかりが売れ残ったりするのだろうか。値引きシールを貼られてもなお売れ残って並んでいるのがアジフライばかりとなれば、こちらも選択の余地が無いので棚に近付く。アジフライの包装パックを一つ手に取り、ラベルを見る。「えびフライ」。自分が何を見ているのか判らなくなった。そこに並んだ全てのアジフライが「えびフライ」だ。何が起きたと云うのか。
家政学院の4年生数名と卒業研究の話をしていたら、それぞれにテーマこそ異なるが、「そのテーマで年表を作ったほうが好いのではないか」と云う点が一致した。そうなると、テーマ別の年表に並行して一般史の年表が添えてあれば更に面白い筈だと、学生を煽ってしまう。学生からしてみれば、つくづく面倒なことを思いつく教員である。そして先ずは自分で年表本を買った。高校教材としても定番の吉川弘文館『日本史年表・地図』と『世界史年表・地図』を買い、つい目に触れた山川出版社『詳説 日本史図録』も加えてしまった。「AB版360頁フルカラー、890円」に釣られたのだ。これも定番教材だが、昨今は写真の刷り上がりが綺麗で、これが教材なら自分も落描きを思いとどまる。
