Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

因果関係に悩む ―アルマイトの栞 vol.106

去年の3月が終わる頃、ダンサーの鈴木一琥さんが新しいダンス作品『龍の声 ~Voices of Dragon~』の企画を持ち掛けて来て、それがいつの間にか本番の約一ヶ月前になっている。公演は9月23日(金・祝)の19時で、上演会場は第五福竜丸展示館。江東区の「夢の島公園」内に建つ、トラジャ族の舟形屋根住居を巨大にしたような建物である。保存展示されている第五福竜丸を覆っただけの空間だ。いつものことながら、一琥さんが選ぶ上演会場はこちらのアタマを悩ませるシロモノだが、しかし公演日も会場も去年の3月には決まっていたわけで、ボンヤリしていた自分が悪い。ただ、突如として作品のコンセプトが大幅変更になったのも事実で、それは原子力発電が悪い。

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アジフライ伝説 ―アルマイトの栞 vol.105

深夜まで営業しているスーパーの閉店近い時間は、総菜売り場になぜアジフライばかりが売れ残ったりするのだろうか。値引きシールを貼られてもなお売れ残って並んでいるのがアジフライばかりとなれば、こちらも選択の余地が無いので棚に近付く。アジフライの包装パックを一つ手に取り、ラベルを見る。「えびフライ」。自分が何を見ているのか判らなくなった。そこに並んだ全てのアジフライが「えびフライ」だ。何が起きたと云うのか。

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作品名は罠なのか ―アルマイトの栞 vol.104

110722.jpg ある知人が云った。「半村良?。懐かしいなあ、かなり読んだよ。ほら、ナントカ伝説ってやつ」。そして今さら気付く。作品名に「伝説」が付くものだけでも随分な数があるのだ。半村良オフィシャルサイトで「半村良の仕事」を見て頂ければ判るが、「ナントカ伝説」ではどの作品だか全く見当が付かない。仕方が無いので自分が憶えている限り「伝説」の付く作品名を挙げると、相手はむしろ混乱し、その挙げ句に当の本人が思い出したかった作品は『妖星伝』だったりする。ちなみに、「伝」で終わる作品名も複数ある。実のところ、半村さん公式ツイッターの日々更新を目的に幾つもの作品を立て続けに読んだ自分が、混乱している。

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年表も課題図書の夏 ―アルマイトの栞 vol.103

家政学院の4年生数名と卒業研究の話をしていたら、それぞれにテーマこそ異なるが、「そのテーマで年表を作ったほうが好いのではないか」と云う点が一致した。そうなると、テーマ別の年表に並行して一般史の年表が添えてあれば更に面白い筈だと、学生を煽ってしまう。学生からしてみれば、つくづく面倒なことを思いつく教員である。そして先ずは自分で年表本を買った。高校教材としても定番の吉川弘文館『日本史年表・地図』と『世界史年表・地図』を買い、つい目に触れた山川出版社『詳説 日本史図録』も加えてしまった。「AB版360頁フルカラー、890円」に釣られたのだ。これも定番教材だが、昨今は写真の刷り上がりが綺麗で、これが教材なら自分も落描きを思いとどまる。

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気になる登場人物 ―アルマイトの栞 vol.102

たかだか180ページ程度の薄い文庫本を、どうかと思うほど時間を掛けて読んだ。いつ自宅の書棚に現れたのか定かでないマイケル・ファラデーの『ロウソクの科学』を、なんとなく鞄に入れたのは、たぶん今年の初めだ。半村良さん公式ツイッターのための半村作品読破作業や、それ以外の「読まなければいけない本」「読まなくてもいい本」の併読に紛れて、驚くほどノロノロと読んでいた。この本も、とくにいま読む必要はないが、なぜかそう云うものに限って熟読する自分である。本を持たずに出掛けた先で時間潰しに迫られると、珈琲店のレシートすら熟読してしまい、釣り銭をくれた店員の担当者番号に見入ったりする。十ケタの数字だ。総勢で十億人規模の店員が居るのだろうか。

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