Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

長さと数 ―アルマイトの栞 vol.151

ページ数の少ない文庫本で目次の項目数が無闇に多かったり、その逆に、ページ数の多いわりに目次の項目数が少ない文庫本は、何か不可思議である。その点で微妙な気分になるのは、岩波文庫に在る哲学者ベルクソンの『笑い』だ。225ページで厚さ8ミリなのは、文庫本として薄いとも厚いとも云えない。その目次は「序」と「附録」に三つの章が挟まれるだけだが、第一章のみ、四つの小見出しが付されている。妙にアンバランスな目次構成だ。その奇妙な第一章でベルクソンは語る。「人は半分毛の刈ってある犬に笑いを催す」。いきなりな話だ。己の哲学のために、勝手に近所の犬の毛を刈ったのではあるまいな、ベルクソンは。

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相性との相談 ―アルマイトの栞 vol.150

時折、なんとなく適当なページを開いてパラパラと眺め読みしたくなる本が幾つか在り、その種の本は、とりたてて読みたい本が無い場合にカバンへ入れて持ち歩きたくなるもので、ましてや、新幹線などで長時間の移動をしなければいけない時の暇つぶしが何も見付からない場合は、その種の本が絶対に必要なのだが、その「なんとなく」にも一応は「気分」が影響し、何冊かの「その種の本」から気分に応じて選ぶことになる。すると、自分にとって心配なのは、「なんとなく適当なページを開いてパラパラと眺め読みしたくなる本」の中に『国宝 阿修羅展』の図録が存在することだ。外出の友としては、サイズが悩ましい。

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何かに使えないか ―アルマイトの栞 vol.149

一昨年、「舞台の照明に使えないか」と、ネット通販でケミカルライトを買った。ライヴ会場で観客が振り回している「光る棒」だ。それを十数本、箱買いして、急いで居たので配送料を払って翌日配達にし、品物を受け取るや、仕込み現場へ飛んで行き、会場で試し、「NGだね」と自分で云った。その後、通販サイトから「高輝度のブルーも出ました」などと頻繁にケミカルライトの広告メールが届き、自分の「失策」と呼べる生傷に唐辛子を塗られている気分がした。そんな経験をしたのに、「何かに使えないか」と、ネット通販で理科実験用キット『プリズムと光の研究』を買った。プリズムは虹も出せるが、箸置きにも使えそうだ。

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音量を上げる ―アルマイトの栞 vol.148

鈴木一琥さんのダンス公演『3.10』は無事に終演。御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。そして自分はアタマの中が『3.10』公演の照明で凝り固まってしまい、どうにも他のことに思考回路が切り替わらず、そんな時は手当たり次第に音楽をヘッドフォンで爆音状態にして聴くと、アタマの中の固まりが吹き飛んで、気分が変わる。だからと云って、選んだCDが「ペンギン・カフェ・オーケストラ」だったりするのはどうなのかと思うが、爆音で聴くべきではない音楽を、敢えて爆音で聴くとアタマの中がどうなるのかと、好奇心で試してみた。弦楽器の胴体の中に監禁された感じだ。ヘヴィメタのファンを閉じ込めてみたい。

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送る方法 ―アルマイトの栞 vol.147

今年で9回目になる鈴木一琥さんのダンス公演『3.10 10万人のことば』の舞台照明を、またTetra Logic Studioが担当するわけで、この公演の照明担当は今年で4回目になり、好い意味で少しは「慣れ」があってもイイのではないかと思うが、どうも回を重ねるほどにアタマを悩ます度合いの強くなる照明課題で、その原因は「一度使った『手』は使わない」と勝手に決めている自分自身だ。文句を云うなら自分に云うしかない。それに加えて今年は、1月初旬から2月末まで鈴木一琥さん本人が国内に居ない。どこか異国の地で踊っていて、本番一週間前までダンサー不在の緊張感も「漏れなく当たる!」だ。いつ応募したのか。

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