Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

送る方法 ―アルマイトの栞 vol.147

今年で9回目になる鈴木一琥さんのダンス公演『3.10 10万人のことば』の舞台照明を、またTetra Logic Studioが担当するわけで、この公演の照明担当は今年で4回目になり、好い意味で少しは「慣れ」があってもイイのではないかと思うが、どうも回を重ねるほどにアタマを悩ます度合いの強くなる照明課題で、その原因は「一度使った『手』は使わない」と勝手に決めている自分自身だ。文句を云うなら自分に云うしかない。それに加えて今年は、1月初旬から2月末まで鈴木一琥さん本人が国内に居ない。どこか異国の地で踊っていて、本番一週間前までダンサー不在の緊張感も「漏れなく当たる!」だ。いつ応募したのか。

映像だとか音楽だとかを共同作業で作っていく場合ならば、メンバーが遙か遠方に居ても「音声ファイルを添付で送ってね」などと頼めるわけだが、くやしいことに「ダンスを添付ファイルで送ってね」だけは云えないのである。いや、云えはする。云えはするが、云ったとたんに心配される。心配されたところへ「あ、Macで開けるファイル形式にしてね」とか口走り始めたら、たぶん関係者全員から「少し休んだほうがいいよ」と返信メールが届くことになる。もし、それらの返信の中に「Mac対応のファイルに変換する方法を教えてください」と書いてくる者が居たら、それは自分よりも休んだほうがいい者で、ことによると、絶対安静である。

先日、よその職場に居る人から「こっちのWindowsで開けないんだけど、Macで開けるかな?」と画像ファイルが添付で飛んできた。自分と共同作業をしているわけではない話だったので、画像の中身については何も予想が出来ず、ともかく仕事場のMacでファイルを開いた。いとうせいこうサンの顔写真だった。相手のWindowsで開けるファイルに変換して送り返したものの、自分の手許に残った「いとうせいこうサンの顔写真」はどうすれば好いのか。いとうせいこうサンと面識は無いのだが、「顔写真を捨てる」と云う行為は何だか失礼な気がして、HDの中に残してしまった。いっそ、いとうせいこうサンの顔写真をデスクトップの壁紙にするのはどうか?。「どうか?」と問われても困るわけだが。

デスクトップの壁紙のことを考えている場合ではなかった。『3.10』の照明プランを考えなければいけないのだ。忘れるところだった。ともかくダンスが不在のいま、頼れるのは公演で使う音だけだ。音についてはデータのファイルを受け取っている。CDも在れば、HDにコピーも作った。けれども、やはり、どうにかして、一琥さんのダンスを添付ファイルで送ってもらえないものかと無茶な妄想をする。仮に、それが可能であれ、異国で踊っている一琥さんは忙しいだろうから、PCに向かっている時間もあるまい。それならば、「一琥さんのコピー」を作成して添付して欲しい。だが、それは何メガくらいなんだ?。そのまま受信できない容量ならば、一琥さんをコピーして圧縮して添付してくれ。

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