Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

希望の装備 ―アルマイトの栞 vol.120

公演本番の一週間前になって告知めいたことを書くのもどうかと思うが、今年もTetra Logic Studioは鈴木一琥さんのダンス公演『3.10 10万人のことば』の舞台照明を担当します。この公演の照明を担当するのは今年が三回目だ。会場となるギャラリー・エフのサイトの公演案内には昨年の舞台写真が掲載されて居り、写真家のダイトウノウケンさん撮影のカラー写真を最初に見たとき、驚くほど美しいその光景に、多重露光の写真なのかと思ったが、どうやらそれは自分たちが作った明かりで、自分たちの手掛けた照明を一年後に見て自分で感動すると云う、えらくマヌケな状況である。見えないのですよ、公演中の舞台が、自分の作業位置からは。

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延長コードの気持ち ―アルマイトの栞 vol.109

鈴木一琥さんダンス公演『龍の声』は無事に終演。御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。それにしても、舞台の世界に踏み入って随分と長い時間が経つが、今回の『龍の声』ほど自分を不安に陥れた公演は他に例が無い。不安のタネには事欠かず、その先頭に現れたのが、電気容量だ。公演会場の第五福竜丸展示館は劇場ではないのだから、舞台照明などを前提とした電気容量を備えているとはハナから期待していない。とは云え、どの程度の容量なのかを知らないのもマズイので、一琥さん経由で確認をした。一琥さんからの返事は「15アンペア」だった。信じがたい少なさに疑念を抱き、現地でブレーカボックスを覗くと契約量は150Aだった。ダンサーに電気のことを尋ねてはいけない。

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ヤスリ掛けはまだ ―アルマイトの栞 vol.93


撮影:大津伴絵
町工場をテーマに、町工場で上演した『すみだフリオコシ』の第一段は、11日(金)に無事終演。雪の中を御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。「要予約」の公演だったので、来場者数の把握はしていたつもりなのに、なぜかその人数を上回り、「超・満員御礼」になってしまった。当日になって、なんとなくの心変わりで映像プロジェクターの設置位置を変更したのだが、あの気まぐれは天啓だったのかも知れない。予定通りの位置にプロジェクターがあったら、あの人数は入らなかった筈だ。ライヴで踊った鈴木一琥さんをはじめ、関係者全員が「気まぐれ」で功を奏すると云う、本来なら有り得ない舞台進行スタイルである。

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町工場迷路 ―アルマイトの栞 vol.92

昨年の秋から取り組んでいる町工場企画『すみだフリオコシ』は2月11日(金)の祝日に本番です。詳しくは公式サイトを御覧ください。「本番」と表現しても映像がメインとなるので、むしろ「上映会」と書くべきではないかとも思うが、鈴木一琥さんがその場で少しは踊る予定だから、一応「本番」である。会場は浜野製作所と云う町工場で、写真のとおり建物がやたらに目立つのでわかりやすいが、そこに至る道がどうにも不安である。少なくとも自分が、未だに単独で最寄りの八広駅から辿り着けるか怪しい。下町は、どうにも迷路である。

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か弱く繊細な公演会場 ―アルマイトの栞 vol.72

毎年この時期の恒例になったが、今年も舞踊家の鈴木一琥さん公演『3.10~10万人のことば』に参画している。今年からTetra Logic Studioは照明担当である。それでここのところ、ずっとその照明のことばかり考えているわけだが、諸々の条件ゆえに悩ましく、だからこそ愉しいのかも知れないと、倒錯した心理の中に浸りっぱなしである。つまりはアタマの中が少々混乱気味で、ときにはアナログTVの「砂嵐ノイズ」の中にでも居るような意識の状態である。「最近、どう?」などと人に尋ねられたなら、「調整中」と答えるしかない。

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