『新装大回転玉手箱』旅へ ―アルマイトの栞 vol.62
『新装大回転玉手箱』テント劇場の東京公演は無事に終了して、黒テントの人々は7月末までの全国旅公演へと出掛けて行った。それで15日(月)はテント劇場の解体作業だった。テントの幕地を剥がして骨格があらわになった姿は、なんだか壊れていくロボットみたいである。さらに骨格を解体していく作業を眺めていたら、その様子が何かに似ていると思ったのだけど、それはモデルガンの分解である。「スライドストップを外して、フレームとスライドを滑らせて離します」とか云った、取り扱い説明書の文章を思い出したのである。このテントの骨格も同じような仕組みだけど、そもそも部材の形状がガバメントの弾倉に似ている気がする。なんでそんな連想が出てくるのか、自分でも不明である。


神楽坂のTheatre IWATOでは日々『新装大回転玉手箱』の稽古が続いている、らしい。「らしい」と云うのは、僕自身がまともに稽古を観ていないからなのだけど、そもそも通し稽古らしい「通し」に至っていないのだから無理からぬ話ではある。とは云え、美術の打ち合わせなどでIWATOにはちょこちょこと顔を出しているわけで、その度に稽古をしているらしい声があちらこちらから聞こえる。芝居の稽古でなければ明らかに何事かと思う奇声である。
