Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

切り貼りのホンネ ―アルマイトの栞 vol.91

地道に地道に「半村良オフィシャルサイト」は更新を続けている。盛り込まなければならない内容はまだまだ残っている。そして公式ツイッターも、ほぼ一日に一つずつは半村作品からの引用を中心に「つぶやき」続けている。作品からの引用だから、「ネタバレ」しないように気を付けなければいけない。同じ作品から立て続けに引用することを避けたり、作中とは異なる順序で引用しているわけで、つまりは可能な限り引用がデタラメに並ぶようにしている。「デタラメを心がける」のは難しい。と云うか、「心がける」ことなのだろうか。もっと他に心がけることがあるのではないか。

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拾い読み ―アルマイトの栞 vol.90

2011年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。年末、どうにか駆け込みで半村良さんの公式サイト「半文居」が開設し、「半文居」公式ツイッターも稼働。ちなみに、「半文居」とは半村さんが御自身の事務所に付けた名前である。それはともかく、公式ツイッターは半村作品からの引用を数人の担当者が選んで「つぶやき」として投稿するので、そうなると「つぶやき」のネタを探して半村作品を読むことになり、既に読み終えた作品も再度「ネタ探しの目」で読み直す必要に迫られる。明らかに「拾い読み」だ。その行為が何かに似ていると思った。「作者の気持ちを最も的確に表している一文を抜き出しなさい」。今さら国語の試験を受けてどうしようと云うのか。

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脇道にそれる ―アルマイトの栞 vol.89

作家の半村良さんの公式サイトを年内に開設する作業が進む一方で、「半村良の公式ツイッターも始めよう」と云う話が転がり出て、それは構わないのだが、既に故人の半村さんが呟き始めるのは考えものである。それで担当者を決め、半村作品から選び出したフレーズを「つぶやき」として投稿する準備を始めた。だから更に半村作品を読んでいかなければならないわけだが、ウッカリ脇道に入り込んでしまった。半村良さんが大好きだったと聞く国枝史郎に手を出した。伝奇幻想小説の『神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)』。河出文庫で約450ページの、よりによって長編だ。「脇道」と知って踏み込んだ自分が悪い。

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「同じ」と「別」の境界 ―アルマイトの栞 vol.88

今から一年と少しで没後10年となる作家の半村良さんに関わる仕事の最初は、半村良さんの公式サイト作成である。伝奇SFに限らず、多ジャンルに亘る作品を書いた半村さんは、作品形式も長編や中編、短編と多彩で、その作品数は極めて多い。公式サイトとなれば、その作品紹介も役割として担うわけで、と云うことは、やはり書籍の表紙も掲載したいと考えるのが人情である。つまり、表紙の写真が必要となり、映像作家で写真家でもあるOさんと一緒に著作権継承者のKさんのお宅へ伺い、作品リストをチェックしながらの撮影作業を11月上旬に開始した。限定出版の記念本まであるから、書籍の取り扱いには慎重を期すべきで、二人揃って白手袋をはめての作業となり、その光景はまるで警察の鑑識捜査である。ページの間に毛髪でも挟まっていたら採取すべきだろうか。

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向島の日常と電圧 ―アルマイトの栞 vol.87

鈴木一琥さんの町工場ダンス企画『すみだフリオコシ』の第一回収録が終わった。それにしても町工場はいきなり人を驚かせる。金型工場の、通りに面したガラスの引き戸を開けて一歩踏み込んだ目の前に、出し抜けに「200V」だ。何が飛び出すか知れたものではない。200Vは、スタンガンよりも遙かに低い電圧だが、とは云え無闇に身近にあれば確かに危険である。危険ではあるが、個人的にはこの種のサインやピクトグラムが大好きで、この「感電注意」のピクトは本でも見かけるが、これほど間近に見たのは初めてかも知れず、それはそれで嬉しい。「注意」以前に、「この人」はとっくに感電している。

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