Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

いつのまにか予知能力 ―アルマイトの栞 vol.96

いつまで続くのかと思う半村良作品の読破作業である。よくもまあ書いたもので、自分の読み終えた分量はまだまだ氷山の一角だ。半村さんの作家活動はおよそ40年間で、全作品を読むのに同じ時間が掛かる筈はないが、もしそんなことになったら、自分の寿命の方が先に尽きる可能性が大きい。しかし、半村良オフィシャルサイトの運営や、公式ツイッターの日々更新のためには読み続けるよりない。とは云え、半村さんには申し訳無いが、自分には他にも読みたい本があるわけで、そうなると他の本との併読になってしまい、読むスピードが遅くなる。わりあい短時間で読了したのは『戸隠伝説』だった。土偶と埴輪が戦争する話である。と、紹介されても未読の人は困惑するしかないのじゃないか。

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楽日の後が落ち着かない ―アルマイトの栞 vol.95

どうにも落ち着かない日常になってしまったけれど、Tetra Logic Studioのメンバーは全員無事です。それにしても、ただでさえバタバタと落ち着かない日が続いていたのに、それが不可抗力的に延長されてしまった気分だ。「延長」される前の最後のバタバタは鈴木一琥さんのダンス公演『3.10』だが、これは無事に楽日を迎えた。御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。「去年と同じような照明にはしたくない」とワガママを云った自分のせいで、どうも大変な舞台にしたような気もするが、一琥さんをはじめ、スタッフの知恵に助けられた。誰かが冗談半分に口走った「スマートフォンを使う」が実現したことにも驚いた。照明にも音響にも使えるスマートフォンだったが、操作担当がダンサー本人と云う点で、画期的だ。しかも、一琥さんはPHSしか知らない人である。

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東の重力圏 ―アルマイトの栞 vol.94

photo ダイトウノウケン よく考えてみたら、墨田の町工場での公演が終わったばかりなのに、鈴木一琥さんの『3.10~10万人のことば』公演まで一ヶ月無いどころか、あと二週間弱で本番だ。町工場での『すみだフリオコシ』の公演が済んだ夜、後日あらためて町工場の皆さんを交えた「打ち上げ」をする話になり、一琥さんが「僕はもう『3.10』が終わるまで時間が取れないからさ、その後にしてくれると助かるんだよね」と申し訳なさそうに告げ、それを他の関係者と一緒に頷いて聴いていたのだが、それは自分も同じではないか。他人事のように聴いた自分が馬鹿者だ。Tetra Logic Studioは、昨年に引き続き、今年の『3.10』も舞台照明担当です。

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ヤスリ掛けはまだ ―アルマイトの栞 vol.93


撮影:大津伴絵
町工場をテーマに、町工場で上演した『すみだフリオコシ』の第一段は、11日(金)に無事終演。雪の中を御来場頂いた皆さま、ありがとうございました。「要予約」の公演だったので、来場者数の把握はしていたつもりなのに、なぜかその人数を上回り、「超・満員御礼」になってしまった。当日になって、なんとなくの心変わりで映像プロジェクターの設置位置を変更したのだが、あの気まぐれは天啓だったのかも知れない。予定通りの位置にプロジェクターがあったら、あの人数は入らなかった筈だ。ライヴで踊った鈴木一琥さんをはじめ、関係者全員が「気まぐれ」で功を奏すると云う、本来なら有り得ない舞台進行スタイルである。

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町工場迷路 ―アルマイトの栞 vol.92

昨年の秋から取り組んでいる町工場企画『すみだフリオコシ』は2月11日(金)の祝日に本番です。詳しくは公式サイトを御覧ください。「本番」と表現しても映像がメインとなるので、むしろ「上映会」と書くべきではないかとも思うが、鈴木一琥さんがその場で少しは踊る予定だから、一応「本番」である。会場は浜野製作所と云う町工場で、写真のとおり建物がやたらに目立つのでわかりやすいが、そこに至る道がどうにも不安である。少なくとも自分が、未だに単独で最寄りの八広駅から辿り着けるか怪しい。下町は、どうにも迷路である。

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