Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

気になる他人 ―アルマイトの栞 vol.209

様々な職業や経歴を持つ人々の「語り」を聴き集めて著書を出し続けている社会学者の岸政彦さんの最新刊『断片的なものの社会学 』は、やはり「路上でギターを弾く80歳のおっちゃん」だとか「香港の刑務所で10年を過ごした日本人の元・ヤクザ」だとか、相当に様々過ぎる人々から当人の「生活史」を聴き、それらの「語り」をそのままの口調で文字に記すスタイルだけれど、本書で岸政彦さん本人が告白するところによれば、「語りを聴く」のみならず、ネットを徘徊しては未知の人々のブログやらTwitterを読んで回ることにも耽溺しているのだそうで、取材対象の誰よりも、先ず岸政彦さん本人が最も不可思議な人だ。

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どこなのか ―アルマイトの栞 vol.208

マーティン・デニーは「南国の楽園」をコンセプトにして音楽を作り続けた人だから、アルバム『ベリー・ベスト・オブ・マーティン・デニー 』だとかのジャケットは、誰の目にも「南国っぽい」と映るものの、そもそも「南国っぽい」の「南国」とはどこなのかと首を傾げ、ジャケットの女性はアメリカあたりの人だとしか思えず、ことによると彼女はどこかの南国へ家出して来た少女で、「ちょっと親とかムカついたんでー、出て来ちゃってー、ここでコスプレとかしてて超たのしいわけー」が真相だったりするのかもしれず、そんな少女たちの集まる南国でマーティン・デニーはスカウト行為もしてやしないか。

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