Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

ジャンルが変わる ―アルマイトの栞 vol.183

「音楽はジンタっぽい曲がいいなあ」と頼まれたような気もすれば、それは依頼ではなく、単なる独り言だった可能性もあるのだが、いずれにせよ、一年前の雑談めいた場で耳にしたことだから、時間の経過する中で「ジンタ」が「トルコの軍楽」に置き換わったとしても、「なんか似たようなものじゃないか」と暴論を展開して切り抜けられるような気がしたもので、『オスマンの響き~トルコの軍楽』のCDを数年ぶりに聴き、「似たようなものじゃないか」は必ずしも暴論ではないように思うものの、この音源のためにオスマン・トルコ軍楽隊の演奏を'70年代に現地録音した小泉文夫さんのような研究者からは激怒される。

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追跡の国 ―アルマイトの栞 vol.182

'60年代の半ばに初めて日本を訪れたロラン・バルトは、よほど衝撃を受けたらしく、一冊の本を書いてしまい、その本は、ちくま学芸文庫『表徴の帝国 』が邦訳だが、みすず書房からも新訳が出ており、そちらの邦題は『記号の国 』で、両者を読み比べて気になるのは、バルトが天ぷら屋へ案内された体験を記した章『すきま』の冒頭だ。『表徴の帝国』で「うなぎ」と訳された語が、『記号の国』では「穴子」で、天ぷら屋なのだから「穴子」が正しいように思うが、「頭に錐を打ち、皮を剥く」との調理法は「うなぎ」のような気もし、バルトが食べたのはウナギか穴子か、気になって仕方ない。先ず、店は、どこだ?

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