Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

模写する気持ち ―アルマイトの栞 vol.140

少し以前のことだが、たまたま「広島県の三次市」と耳にする機会があって、自分は真っ先に「妖怪の聖地だ」と条件反射のように思い出し、「そこは『稲生物怪録(いのうもののけろく)』の現場だ」とか口走り、しかし、そんなことを騒ぎ立てる者は他に居ないわけで、国書刊行会が『稲生物怪録絵巻集成』を出版していると知っても、云い触らす相手さえ見付からず、とは云え、知ってしまうと気になるのは致し方ないことで、とどのつまりは『稲生物怪録絵巻集成』が自宅の書棚に仲間入りしてしまった。『稲生物怪録』の存在を教えてくれた荒俣宏さんの著作と、自分に「三次市」の話題を何度も聞かせた人々のせいである。

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チューニング用だが ―アルマイトの栞 vol.139

ソフトケースがホコリを被りっぱなしのエレキベースを、掃除したついでにチューニングしようかと思って、これもまた久しぶりのチューナを取り出したら、何やらチューナの様子がヘンだ。電池を交換しても、挙動が不可解で、もしかしてチューナが幻聴か耳鳴りに悩まされているのじゃないかと思う振る舞いをする。音叉を持ち出して、その音でチューナの様子を観察したが、これは何をしていることになるのか自分でもよく判らない行為だ。物差しを物差しで測っているのと同じで、何だか自分で自分が阿呆に思える。想像してみてほしい。部屋で一人、右手のチューナを見つめながら、左手の音叉で机や椅子を叩いて回る者が居るのだ。心配な人だ。

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