Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

「孤高」がリレーする ―アルマイトの栞 vol.124

かなり以前から気になっていたのは、創元ライブラリの巻末に掲載された『中井英夫全集』の自社広告である。そこには中井英夫の全集を刊行する旨を告知する文章や、作品紹介の文章があり、それじたい出版社の自社広告としては当然のことだ。どうにも気になったのは、その文章である。「彫心鏤骨の文体によって」。だしぬけに、難読だ。繰り返すが、これは出版社の広告文であって、中井英夫の書いた文章ではない。出版社の誰かが書いたのだと思うが、これを書いた人は「鏤」の字が好きなのか、全集の第4巻を紹介する文章には次のような記述がある。「鏤めた」。読めない。そもそも、「鏤」の字は何と読むのか。自社広告を装った漢字検定ではないかと思った。

続きを読む>>
雑記 | comments (0) | trackbacks (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

散らかる人たち ―アルマイトの栞 vol.123

昨年の11月、京王線に乗っていたときのことだ。通り過ぎる駅のホームの光景と一緒に、つげ義春さんの巨大な絵が視野を横切った。一瞬の出来事に、「なんだ、今のは」と思わず口走ったら、友人も「つげ義春、『ねじ式』が、絵だった」と、意味の解らないコトバを発した。『ねじ式』の冒頭の絵が、B0版らしき大きさで貼ってあったのだ。気にならないわけがなく、あとで調べたら、それは府中市美術館で開催された『石子順造的世界』のポスターだと判明し、『ねじ式』の原画も展示されているとの触れ込みだった。会場で販売された図録の表紙は、京王線から垣間見たポスターと同じデザインで、その図録は美術出版社から一般書店にも並んだ。売れるに決まっている。

続きを読む>>
雑記 | comments (0) | trackbacks (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク