Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

コトバの使いみち ―アルマイトの栞 vol.135

連絡を寄こすたびに、こちらのことを電話相談室か何かと勘違いしているらしい知人が居る。「あのですね、歌舞伎役者とかの『襲名』って、英語で何て云うんですか?」。知らないよ。そもそも、英語圏の文化に存在しない事柄だとすれば、該当するコトバだって無い筈だ。とは云え、何の気無しに使っている日本語の、さもない表現ほど英語で何と云うのか知らないのも事実で、それはそれで知りたくもあり、講談社『これを英語で言えますか?』などと云う本が自宅の書棚に転がっているのは、そのせいである。けれども、この本の第1章に例示されている「逮捕令状です」「黙秘権があります」は、どんな読者を想定した結果なのか。この本で勉強してまで、英語圏で何をしでかす気だ。

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小説バンド ―アルマイトの栞 vol.134

だしぬけに、何の脈略もなく、しかも一人で部屋の片付けをしているときに、「今も『人間椅子』ってバンドは活動してるのだろうか」と思う自分が、心配である。どこから舞い降りてきた疑問なのか判らないまま、片付けを放り出し、別冊太陽『日本のロック50’s~90’s』を開いた。彼らが音楽的に、どう位置付けられていたかを思い出せなかったからだ。本の殆ど最後の、'90年前後のページに小さな写真付きで、『人間椅子』の短い解説がある。「江戸川乱歩の小説を題材としたおどろおどろしいハード・ロック・バンド」。それはそうなのだが、もう少し音楽性に触れたらどうなのか。『人間椅子』と聞いて、乱歩の短編以外に心当たりのある者が大勢居るなら、不安だ。

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箱にしたい ―アルマイトの栞 vol.133

YouTube公開の映像『半村良の空想力』は約24分なのだが、ある人から「CMを抜いた30分番組と同じような尺です」と云われた。たしかに、そうだ。偶然だが「30分番組」になっていた。それならば、同じ尺で二本目を作って「第2話」と云い張ろうか。無体なことをアタマが勝手に考え始め、すると妄想が一気に加速した。「全12話でDVDボックスにしたい」。自宅で3枚組DVDボックス『カリキュラマシーン ベストセレクション』を探した。’70年代放映の、不条理に満ちた、しかし教育番組だ。「幼少期の情操教育」に効果が有るなら、自分の大半を形成した主犯はコイツが疑わしい。なにせ、所有する唯一のDVDボックスがコレだ。どうかと思う。

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世界同時公開にはなる ―アルマイトの栞 vol.132

ディスクで届けて回っていた半村良さん関連の映像『半村良の空想力』をYouTubeで公開しました。御笑覧いただければホントに嬉しい限りです。

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「らしさ」の要素 ―アルマイトの栞 vol.131

ある印刷物の制作打ち合わせで、「新聞的なデザイン」と話が決まり、それで自宅の書棚に埋もれていた『天井桟敷新聞 全縮刷版』を探し出した。寺山修司主宰「演劇実験室 天井桟敷」が、'67年から'83年まで発行していた全26号の「新聞」をA5版に縮刷した本だ。「新聞の模倣」としては秀逸で、その「新聞らしさ」の一つは豊富な掲載広告の存在だと思った。ただ、広告主の多くが飲食店なのはともかく、どこかのキャバレーの「松井須磨子型から加賀まりこ型まで美女3,000名!」と云うキャッチコピーはどうなんだ。「松井須磨子」から「加賀まりこ」までの間の2,998名がどんなグラデーションなのかを教えて欲しい。

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