チューニング用だが ―アルマイトの栞 vol.139
ソフトケースがホコリを被りっぱなしのエレキベースを、掃除したついでにチューニングしようかと思って、これもまた久しぶりのチューナを取り出したら、何やらチューナの様子がヘンだ。電池を交換しても、挙動が不可解で、もしかしてチューナが幻聴か耳鳴りに悩まされているのじゃないかと思う振る舞いをする。音叉を持ち出して、その音でチューナの様子を観察したが、これは何をしていることになるのか自分でもよく判らない行為だ。物差しを物差しで測っているのと同じで、何だか自分で自分が阿呆に思える。想像してみてほしい。部屋で一人、右手のチューナを見つめながら、左手の音叉で机や椅子を叩いて回る者が居るのだ。心配な人だ。