Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

分解を振り返る ―アルマイトの栞 vol.144

誰から教わったのかは忘れたが、パソコンを分解して何かをするならば、作業工程毎にデジカメで記録写真を撮っておくと、作業を振り返る必要が生じたときに便利だと聞いたことがあって、それは賢い知恵だと、その誰だったかを尊敬した。尊敬したのに、誰だったのかを忘れてしまった。失礼なヤツだ。ともかく、昨年の夏に何の前ぶれも無くダメになってしまった自宅のMacを放置していたので、そいつからHDだけ取り出して、復活なり再利用なり出来ないかと考え、分解作業を始めた。そして、「記録写真を撮ると便利」の知恵を、分解作業が終わった時点で思い出した。そこで撮影したが、それでは「記念写真」だと思う。

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手足肩腰 ―アルマイトの栞 vol.143

2013年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。順番だから当然なのだが今年は巳年で、つまりは蛇だ。するとその直前の年末に、なんだか蛇の絵を描かなければイケナイような強迫観念に襲われる事態となり、けれども、蛇を描くのは難しい。この種の絵は、漫画家の諸星大二郎さんが上手く、それで『魔障ヶ岳 妖怪ハンター 』などを開いて「蛇、蛇」と呟きながら眺めていたら、つい読み耽って止まらなくなった。ダメじゃないか。それでも、「蛇」とか「蛇らしきモノ」の絵を見付け、「上手いなあ」と尊敬する。繰り返すが、蛇を描くのは難しい。蛇の何が難しいって、手足が無い。すると必然的に、肩も腰も無い。デッサンを拒絶する生き物なのじゃないか。

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五十音 ―アルマイトの栞 vol.142

書店で、作家名の五十音順に本を並べている光景は珍しくなく、その場合に見かけるのは「あ:芥川龍之介」で始まるような並び方だ。海外作家だと、「ア:アーヴィング」から始まるような感じだと思う。作家名の五十音順とは、大抵そのようなことになるのだと信じ込んでいたから、『私が選ぶ国書刊行会の3冊 国書刊行会40周年記念小冊子』の巻末に付された索引に驚いた。それは五十音順に並んだ国書刊行会の出版目録なのだが、最初に名前の出て来る著者が「アレイスター・クロウリー」である。『麻薬常用者の日記』とか『霊視と幻聴』などを書いた、20世紀初頭の「魔術師」だ。五十音順で魔術師がトップになる図書目録を、他に知らない。

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見取り図に潜むもの ―アルマイトの栞 vol.141

広い展示会の会場で、どうやら自分が迷子になってるらしいと気付いたのは、会場に足を踏み入れて20分後くらいだったろうか。街中で迷子になった場合は早々に気付くのだが、展示会の場は事態が発覚するまでに随分と時間が掛かるのだと知った。その原因は、会場内のどこを見回しても愉しいからで、目を奪われるままにフラフラと展示ブースを覗きながら面白がって歩くうちに、自分の現在地が判らなくなる。エサに釣られて簡単に罠に掛かるタイプだ。けれども、酷い方向音痴の自分としては、決して無警戒に会場へ入ったわけではない。入場する前に、高い場所から会場全体を眺め、「見渡してしまえば勝ちだ」と考えた。慢心だった。

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模写する気持ち ―アルマイトの栞 vol.140

少し以前のことだが、たまたま「広島県の三次市」と耳にする機会があって、自分は真っ先に「妖怪の聖地だ」と条件反射のように思い出し、「そこは『稲生物怪録(いのうもののけろく)』の現場だ」とか口走り、しかし、そんなことを騒ぎ立てる者は他に居ないわけで、国書刊行会が『稲生物怪録絵巻集成』を出版していると知っても、云い触らす相手さえ見付からず、とは云え、知ってしまうと気になるのは致し方ないことで、とどのつまりは『稲生物怪録絵巻集成』が自宅の書棚に仲間入りしてしまった。『稲生物怪録』の存在を教えてくれた荒俣宏さんの著作と、自分に「三次市」の話題を何度も聞かせた人々のせいである。

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