Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

サークルでチーズ ―アルマイトの栞 vol.219

なぜだか判らないけれど、ここのところ頻繁に本を頂き続けており、もしかすると周囲の人々から「もっと本を読め」と無言の叱責をされているのかもしれず、ついに読まねばならない本が言語学者ヤコブソンの著書などと云うところにまで行き着き、いったい何故に平凡社ライブラリー『ヤコブソン・セレクション 』を課題図書のごとく渡されるのかと途方に暮れつつ本を眺めてみれば、カバーに巻き付いた帯の背には「生涯アヴァンギャルド」と記されており、なにやらタダごとではない気がして、これが「生涯現役」だったら無視するが、「生涯」が「アヴァン」で「ギャルド」なんである、よく判らないが。

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意地でもロケハン ―アルマイトの栞 vol.218

近頃、いつも以上に酷く出不精な状態に陥ってる自分を「ロケハンへ出掛けましょう」と誘ってくれる有り難い人も居るのであって、どこへ連れ出されるのか判らないままに付いて行くと、百貨店の屋上の遊園地に辿り着き、こんな場所にポツンと存在する観覧車にトキメク自分だから、「ステキだ」と反射的にカメラを向けてしまうわけだが、それにしたって、なんで観覧車のゴンドラに「火災予防運動実施中」などと云う無粋な文言を貼り付けてしまったのかと悩まざるを得ず、9台のゴンドラと「火災予防運動実施中」の9文字の数の一致だけが理由なのであれば、「地獄の沙汰も金次第」と貼っても構わないことになる。

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42日間が空白 ―アルマイトの栞 vol.217

なぜ『月刊「ムー」2015年10月号』などを読んでいるのかと云うと、それは『月刊「ムー」2015年10月号』を頂いてしまったからなのであって、くださった人が何を目論んでいるのかは定かでなく、本誌の記事の中に、何か切実に知って欲しい事柄でも書かれているのかも知れないけれど、そうだとしても、どの記事なのか目次を見ただけでは自分に心当たりが無いので、すると、最初のページからキチンと読み進めなければならず、つい熟読してしまうのだったが、まさか、「別冊スペシャル付録 ヴードゥー魔術精霊のシンボル」をプレゼントしてくださったのだとしたなら、それでワタシにドウしろと云うのか。

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簡単明瞭な世界観 ―アルマイトの栞 vol.216

アメリカの言語人類学者ダニエル・L・エヴァレットは、言語学のフィールドワークを行う目的で、ブラジルのアマゾンに暮らす少数民族ピダハンの集落へ出向いて彼らと共に生活し、そこでの体験の一部始終を綴った著書の邦訳が、みすず書房『ピダハン 〜「言語本能」を超える文化と世界観〜 』なのだが、原著の表題は「DON’T SLEEP, THERE ARE SNAKES」となっており、和訳すると「眠るな、そこにヘビが居る」で、これはピダハンたちが夜の時間帯に仲間へ別れを告げる際に使う言葉なのだそうだから、つまり「お休みなさい」の挨拶だろうけど、「そこにヘビが居るぞ」では、怖くて眠れたものではない。

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意外にも図星 ―アルマイトの栞 vol.215

おそらくデタラメかと思われる漢詩の五言絶句だか七言律詩だかみたいな文字がサイケデリックな極彩色のTV画面に映り、それを朗々と訓読するナレーションの声が松尾スズキさんだったと云う奇態な夢から目覚めてみれば深夜の2時38分で、ことほどさように自分のアタマが不可解な状態に陥っている原因は、「女王蜂」のアルバム『奇麗』を繰り返し聴いたからではないかと推察され、アタマの中にパンクスな紫色の煙が充満している気分の今は9月初旬の深夜2時47分なのだが、このまま『奇麗』をヘッドフォン爆音で聴いてみようかと迷うものの、だから不眠が一向に改善しないのだと疑われもする一週間だ。

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