サークルでチーズ ―アルマイトの栞 vol.219
なぜだか判らないけれど、ここのところ頻繁に本を頂き続けており、もしかすると周囲の人々から「もっと本を読め」と無言の叱責をされているのかもしれず、ついに読まねばならない本が言語学者ヤコブソンの著書などと云うところにまで行き着き、いったい何故に平凡社ライブラリー『ヤコブソン・セレクション
』を課題図書のごとく渡されるのかと途方に暮れつつ本を眺めてみれば、カバーに巻き付いた帯の背には「生涯アヴァンギャルド」と記されており、なにやらタダごとではない気がして、これが「生涯現役」だったら無視するが、「生涯」が「アヴァン」で「ギャルド」なんである、よく判らないが。

近頃、いつも以上に酷く出不精な状態に陥ってる自分を「ロケハンへ出掛けましょう」と誘ってくれる有り難い人も居るのであって、どこへ連れ出されるのか判らないままに付いて行くと、百貨店の屋上の遊園地に辿り着き、こんな場所にポツンと存在する観覧車にトキメク自分だから、「ステキだ」と反射的にカメラを向けてしまうわけだが、それにしたって、なんで観覧車のゴンドラに「火災予防運動実施中」などと云う無粋な文言を貼り付けてしまったのかと悩まざるを得ず、9台のゴンドラと「火災予防運動実施中」の9文字の数の一致だけが理由なのであれば、「地獄の沙汰も金次第」と貼っても構わないことになる。
なぜ『月刊「ムー」2015年10月号』などを読んでいるのかと云うと、それは『月刊「ムー」2015年10月号』を頂いてしまったからなのであって、くださった人が何を目論んでいるのかは定かでなく、本誌の記事の中に、何か切実に知って欲しい事柄でも書かれているのかも知れないけれど、そうだとしても、どの記事なのか目次を見ただけでは自分に心当たりが無いので、すると、最初のページからキチンと読み進めなければならず、つい熟読してしまうのだったが、まさか、「別冊スペシャル付録 ヴードゥー魔術精霊のシンボル」をプレゼントしてくださったのだとしたなら、それでワタシにドウしろと云うのか。

