Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

60字 ―アルマイトの栞 vol.67

あるところから原稿を頼まれて、劇団黒テントの『新装大回転玉手箱』テント劇場公演の話題を書いた。原稿を頼まれたのは10月始めで、締め切りは10月末だった。「4,800字から6,000字くらいでお願いします」とのことだ。「締め切りまで一ヶ月はある。余裕だ」と思ったのがいけなかった。原稿を頼まれて3日目くらいに少し書き始めた。さほど悩むでもなく書き始め、800字くらい書いたところで「これなら大丈夫。すぐ終わる」と思った。これがさらにいけなかったのだ。たかをくくってそこで原稿を放ったらかしにしてしまい、気がついたら10月の最終週になっていた。

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やさしい文章 ―アルマイトの栞 vol.66

なんでもいいから電車の中で読むものをと思って自宅の書棚から持って出たのがなぜか『日本霊異記』だった。いつどこで買ったのかは憶えていないが、「平凡社ライブラリー」の文庫になっている現代語訳である。「やさしい現代語訳」とか、そんなふれ込みに惹かれたのかどうかもはっきりしないけれど、学生の頃に新潮社の「日本古典集成」シリーズで校注付きを買ったのは確かなので、やっぱり「やさしい」に惑わされて現代語訳を買ったのだと思う。「やさしい現代語訳」を謳っている古典は随分と多いけれど、ここで使われている「やさしい」はクセ者かもしれない。「現代語訳だからやさしいよね」は嘘だと思う。

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サブカルチャー図書 ―アルマイトの栞 vol.65

朗読劇を控えた連休の初日に劇作家の宮沢章夫さんに会ったのだった。本を数冊お貸ししていたのを返して頂いたのである。1968年に澁澤龍彦の責任編集で刊行された雑誌『血と薔薇』の復刻版と『ユリイカ』や『太陽』などのバックナンバーで、いずれも特集テーマは「澁澤龍彦」。宮沢さんが早大で担当している授業「サブカルチャー論」の資料としてお貸ししてからたぶん二年が過ぎ、今度は僕の方で必要になったので返して頂いたのだが、なにせ宮沢章夫さんは図書館で借りた本を30年間返さなかった人である。一冊の漏れも無く返却されたのは奇跡ではないか。ちなみに、宮沢さんは30年後に図書館へ本を返しに行ったら、図書館が無くなっていたそうだ。こうした場合の本の扱いはどうなるのでしょうか。

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朗読の秋 ―アルマイトの栞 vol.64

8月が終わっていた。なにやらテント劇場に憑かれたような夏だった。黒テントのテント劇場公演が終わった後に他のテント芝居を観に出掛けたり、とにかくテント劇場に縁のある夏だったのだが、秋めいてきて今度は子ども向け朗読劇である。場所は「横浜人形の家」。「任侠の家」ではない。『網走番外地』を朗読するわけではないのだ。むしろ僕としては鈴木清順が監督した『東京流れ者』の方が好きなのだが。なんの話をしているのだ。朗読劇の話だ。「横浜人形の家」でアンデルセンの『人魚姫』と諸々の朗読劇である。

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『新装大回転玉手箱』写真館 ―アルマイトの栞 vol.63

木場公園に特設テント劇場を建てた『新装大回転玉手箱』は、いまだに全国を行脚している。みんなだいぶボロボロなのではないかと思うが、旅公演の様子は宮崎恵治さんのブログで御覧ください。最後の金沢公演までもう少し。それで、特設テント劇場での『新装大回転玉手箱』は今回も舞台写真家の青木司さんに撮影をして頂いた。神楽坂のTheatre IWATOで初演した昨年の『玉手箱』の改訂新作版とは云え、写真で見る限り全く別の舞台である。昨年の『玉手箱』公演の様子は『アルマイトの栞vol.50』に掲載です。

090725_01.jpg 舞台前に吊った紗幕越しの二人芝居から紗幕が消えて、いきなり大勢で唄って踊る。リズムの激しい派手な曲である。作曲をした元「モダンチョキチョキズ」の磯田収さんと二人で話していた時に、磯田さんはボソボソした小声の関西弁で云った。「今回のイメージはファンキーですねん」。その口調はちっともファンキーではないのだった。かつて「モダチョキ」のステージで、フロントに飛び出して来てギターを暴れ狂うように弾いてたのは本当にこの人だろうかと思ったが、曲を聴いて「やっぱりこの人だ」と頷いた。本番初日の前夜にこっそりとアレンジを変えて、無言で帰ってしまったあたり、たしかにファンキーな人である。劇団員は当然のことながら大慌てになった。

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