Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

か弱く繊細な公演会場 ―アルマイトの栞 vol.72

毎年この時期の恒例になったが、今年も舞踊家の鈴木一琥さん公演『3.10~10万人のことば』に参画している。今年からTetra Logic Studioは照明担当である。それでここのところ、ずっとその照明のことばかり考えているわけだが、諸々の条件ゆえに悩ましく、だからこそ愉しいのかも知れないと、倒錯した心理の中に浸りっぱなしである。つまりはアタマの中が少々混乱気味で、ときにはアナログTVの「砂嵐ノイズ」の中にでも居るような意識の状態である。「最近、どう?」などと人に尋ねられたなら、「調整中」と答えるしかない。

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大きくしたい気持ち ―アルマイトの栞 vol.71

あまりにも遅まきながらですが、今年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。そして年明けもまだ家政学院の授業があったりするので、ただでさえ寒い中を、さらに寒い八王子の方へと出掛けるのだけど、昨年から駅のホームに暖かい待合室が出来ている。他の駅でも見かけるようになったガラス張りの待合室だが、本気で「入ろう」と思うのは家政学院へ向かう時くらいで、それほど寒い場所なのだ。そんな「行きつけ」の待合室なのに、その外側のサインがまるで目に入っていなかった。ちょっと大き過ぎはしませんかね、この禁煙サインは。たぶんB全版のサイズだけど、これではかえって気付かれにくいのではないか。

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アンテナに訊き、人に訊く ―アルマイトの栞 vol.70

極めつきの方向音痴だと充分に自覚し、それを公言して憚らない自分なのに、またろくに地図も確かめないで出掛けて迷子になった。下北沢は危険地帯だ。学生の頃からうろついて、その度に迷子になった街なのに、同じことを何度繰り返せば気が済むのだろうか。事前に中途半端な地図の見方をしたのが更に宜しくない。「線路を挟んで本多劇場の反対側。近所に郵便局の在る場所」。一ヶ月ほど前にぼんやりと眺めた地図の、おそろしいまでに茫漠とした記憶だけだ。そんな状態で出掛けて行くのは無謀の極みだが、「いざとなったらアンテナに訊けばいい」と、ワケの解らない信念が背中を押した。

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コトバの身振り ―アルマイトの栞 vol.69

12月2日にリリースされた「□□□」のアルバム『everyday is a symphony』を買った。念のために書いておくと「□□□」は「くちろろ」と読みます。前評判が随分と高かったせいか、最初に入った二つの店では品切れで、結局は渋谷のHMVで手に入れた。最初からここへ来れば好かったのだ。そもそもネット購入するとかiTunes Storeで買うとか、出歩く必要はないんじゃないか。天気が好かったんだ。

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揺れる時間 ―アルマイトの栞 vol.68

091129.jpg つい先日、いとうせいこうさんの話を伺う機会があったのだが、そこで衝撃的なことを知った。「昔のドンカマは揺れている」。事情のわからない人には「何を云ってるんだ」と怪訝な顔をされそうな一言である。「ドンカマ」とは音楽を演奏したりレコーディングする際にガイドとなるリズム音のことで、リズムマシンなどで機械的に鳴らしている。「デジタルなメトロノーム」とでも云えば解りやすいだろうか。ちなみに「ドンカマ」は'60年代にコルグが製造販売していたリズムボックスの商品名「DONCA MATIC」が語源だった筈で、それが業界用語になった。そのドンカマが「昔は揺れてた」らしい。てっきりデジタルなジャストビートだとばかりに思っていたのだが、そうではなかったのである。

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