Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

約67%ほどの正解 ―アルマイトの栞 vol.166

.jpg 音源を見付けたかったのは、’80年代後半に、ムーンライダーズの鈴木慶一さんが作詞と作曲を手掛けた『こんなじゃダメ神様』で、今ならガールズ・ユニットとか呼ばれるだろう「チロリン」が唄い、やはりムーンライダーズの岡田徹さんがプロデュースをしていた。そのCDを見付けたと思った。「チロリン」の名前と、収録曲に『こんなじゃダメ神様』が在り、当時の、岡田徹さん作曲『(チロリンの)星に願いを』も入っていて、もう間違いないと、レジへ直行した。それが、メンバーだけを一新して昨年デビューした「新・チロリン」のアルバム『Chit Chat Chiroline』だった。ジャケのデザインを見て、’80年代じゃないと気付くべきだ。

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後ろに何かを ―アルマイトの栞 vol.165

友人からのメールの追伸に「Amazonに注文した諸星大二郎3冊が届かない!」と、唐突に書いてあり、そんなことを自分に訴えられても困るが、「もしや『妖怪ハンター 天の巻』『妖怪ハンター 地の巻』『妖怪ハンター 水の巻』の3冊?」と返信したら、「大正解!」と驚かれ、しかし自分の所有する3冊を送る責務は無く、せめて待ち侘びる友人の代わりにと思い、『天の巻』を再読した。この3冊のうち、『天の巻』が最も奇書だ。本編の漫画が全て終わった巻末に「附」と題して二つの論文が掲載され、それは評論家による解説とかではなく、本編の主人公の考古学者が著した史学論文である。諸星大二郎さんが指導教員なのか?。

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立ち入りたいが ―アルマイトの栞 vol.164

YouTubeで公開を始めた舞踏家の細田麻央さんの動画公演『galacta』は、シリーズとして公開を予定している全ての動画の編集が終わっておらず、とにかく編集作業を急ぐべきだが、実は、もう一回だけ追加の撮影をする必要まであり、その撮影場所は、今年の春に麻央さんたちと歩いたロケハンでの候補場所から決める話になっており、その場合、自分一人だけが立ち止まって写真に撮った立体駐車場を、「ここ、候補だったよね」と提案して好いものか悩む。なぜだか立体駐車場にトキメキを覚え、しかしロケ地とする際の問題は、麻央さんたちへの説得ではなく、「ここで遊んではいけません」と書いてあったことだ。

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ともかく始める公開 ―アルマイトの栞 vol.163

舞踏家の細田麻央さんたちと画策した動画サイト限定の舞踏公演 『galacta』をYouTubeにて公開いたしました。

「公開いたしました」と書いたものの、今回の公開が公演名『galacta』の全てではなく、数分単位の動画をズラズラと並べた結果の「セット」で『galacta』と呼ぶことになっておりまして、つまり、今後も、適宜、やにわに、思い出したように、唐突に、『galacta』シリーズとしての舞踏映像を、ことによると10編ほどアップロードする予定で、自分たちでも混乱しないよう、各動画に「#00」などと番号を付け、それでも不安が残り、副題まで付ける周到さだ。

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誘う中略 ―アルマイトの栞 vol.162

ある学校の入試で出題された「以下の文章を読み、著者の意見を要約し、あなたの考えを1,200字程度で書きなさい」と云う小論文問題を、過去7年分に亘って、つい見てしまった。いや、見てはマズイことはなく、かと云って、自分が受験するわけでもなく、無駄な好奇心に過ぎず、呑気に「難しいなあ」と呟いて終わる理由は、その「以下の文章」が、古市憲寿さんの『絶望の国の幸福な若者たち』からの引用だったりと云う、近道を巧みに隠した思索の迷路が待ち構えるからで、しかも引用中に4箇所も「中略」とあり、「略された箇所も読みたいよ」などと不満を漏らす自分は、受験生としての資質において、すでに失格である。

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