何故か昨年あたりから、80年代について語られた本を立て続けに読んでいる。発端は宮沢章夫氏の「80年代地下文化論」(白夜書房)だった。80年代に興味のある人には是非お薦めの一冊である。80年代と云う時代は、何かいまだに捉えようのない、しかし際立って特徴のあった時代として記憶の中にある。同世代の友人と集まると、「80年代とは何だったのか」と云う話題になることもしばしばである。そんなわけで、立て続けに80年代を論じた本を読み、僕なりに考えを巡らせたりしているわけである。
そろそろ年度末である。ここ数年、この時期になると赤ボールペンを握って自宅にカンヅメになる日が続く。国際演劇協会(ITI / UNESCO)日本センターが年度末に刊行する「THEATRE YEAR-BOOK」の校正作業である。200ページくらいはある英語の本の原稿を読みつつ、元の日本語原稿と見比べて、翻訳に誤りが無いか等々をチェックするわけだが、ジャンルによってはかなりこちらのアタマを悩ませる内容がある。日本の伝統芸能である。能とか歌舞伎とか文楽とか日本舞踊について英語で読まされることほどヤッカイなことは無い。
昨年の秋のこと。大分に行った際、文化の試みを展開する上で幾つか面白い話に接する事が出来た。 最も興味深かった話は、映画館についてのことだった。 全国的にも名高い湯布院映画祭の運営に長年関わって、20年近く大分市内でミニシアター(シネマ5)を経営している田井さんの話だ。
年明け早々にTVを観ていたらジャッキー・チェンの「酔拳」をやっていた。1978年の映画である。確かに当時は随分とジャッキー・チェンが流行っていたものだ。学校の教室でジャッキーの真似ばかりして飛んだり跳ねたりしていたA君を思い出した。僕自身はさほど興味は無かったが、ともかくマニアなジャッキーファンはどのクラスにも居て、休み時間にはあちらこちらに「ジャッキー」が現れたものである。そう云うある種の懐かしさから、ついチャンネルを合わせてしまった。