日本の足の裏 ―発見する場所04
まずは、告知。
3月23日~24日に福島県南会津郡で行われるJIA(日本建築家協会)福島主催の映像のイベントをテトラロジックスタジオがプロデュースすることになりました。
その現地調査を兼ねて、先週福島県南会津郡只見町に行ってきました。日本有数の豪雪地帯のこの町も、今年は暖冬で例年の半分くらいの積雪だそうだ。
イベントで想定している場所は、只見町布沢地区だ。そして、その地区に数年前から首都圏から移り住んできたIさん家周辺。雪そのものに囲まれて、冬が終わる。
そうやって、ここ数年Iさんは春を迎えていた。ここから、東京や日本を見渡してみるといろいろなことが実感できる。
そんな空気がここにはある。
もちろん東京からの時間的な距離の遠さもあるが、そこに浸る冷たい空気と雪の風景の圧倒的な力がそうさせる。
以前同じく豪雪地帯の一つ旧湯田町(現:岩手県西和賀町)に、何度が仕事と調査を兼ねて足を運んだ事がある。その時、町のある人はこの湯田町は、「日本の足の裏」だと言っていた。普段は日本の人々の視界には全く入っていないけれども、着実に日本を支えている場だと。
薪に囲まれたIさんの家にも最近光電話がつながったそうだ。世界で起きている事がリアルタイムでつながっている。その一方、冷たい空気と雪の風景は、何百年も変わって来なかったはずであり、そこに身を浸すことが、何かを実感させる。
3月のイベントでは、一瞬だがその空気を実感できる場としたい。
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