知名度シャッフル ―アルマイトの栞 vol.86
作家の半村良さんに関わる仕事が本格的に動きだし、半村さんの著作権継承者であるKさんのお宅に頻繁に伺っている。半村作品を読むことも継続中である。『不可触領域 』の次に読んだのは『産霊山秘録(むすびのやまひろく) 』で、その次に『石の血脈』を読み、今さらながら半村良さんの伝奇SFにのめり込んでいる。小学生の時に『戦国自衛隊 』を読んだのは、それが映画化されて作品の知名度が世間一般に高まり、TVでも予告編が流れ、その映像が子ども心に衝撃的だったからだ。しかし、それきり半村作品は殆ど読まずに通り過ぎた。子どもの頃から「歴史の謎」みたいな話題が大好きな自分としては、通り過ぎたことが不思議である。「半村良」の名前は憶えていたし、角川文庫だった頃の『石の血脈』の背表紙を書店で見てもいたが、違う作家の作品だと思い込んだ。失礼なヤツである。