はたらく音楽 ―アルマイトの栞 vol.84
向島の中小工場で機械の音を録ってダンス公演の音楽を作りたいと鈴木一琥さんが相談してきた。公演会場も工場。11月本番。急な話だ。友人の音楽家タニモト・タクに援護要請。この種の音楽作りを面白がって付き合ってくれる奇特な友人だ。タクと会い、「工場の音楽」について話をすると記憶の扉が開いた。「Coldcutの『Timber』って曲があったよね」。はい、ありました。YouTubeにPVの動画もありました。まさに「労働の音」の集積だが、映像の2分過ぎに一瞬現れる緑色の動物はなんだ?。働き者のカエルか?。



レンタルDVDで旧いSF映画ばかり借りて観て居た。新しい作品でも30年ほど前のもので、どれも「21世紀の未来」を描いた作品ばかり選んでしまった。そこには決まって人間より優れた知性として振る舞う人工知能やアンドロイドが登場するが、ヤツらは人間と必ずのようにチェスをする。そして当然のごとく人間に勝つわけで、「またあなたの負けです」といきなり宣言し、のみならず解説を加えたがる性格らしい。「あなたがビショップでクイーンを取る。そのビショップを私がナイトで取ったらチェックメイト」。ハッタリだったりしないかと疑った。画面を一時停止にして盤面を観察し始めた。翌日の夜、素直に降参した。しかし、どうしてこの種のSFでは人工知能が人間相手にやたらとチェスをするのか。麻雀ではいけないのか。
