Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

小劇場集積都市「大学路」 ―発見する場所08

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昨年からソウルの大学路に足を踏み入れ、その空気を描くことに悪戦苦闘している。実はここ大学路は、知る人ぞ知るアジア随一の小劇場の集積エリアなのである。その数なんと80。
日本の小劇場の集積エリアと知られている下北沢には、約500m四方に10の小劇場があるが、同様の範囲に80弱の小劇場が存在していると言えば、その状況がなんとなくイメージして頂けるかもしれない。

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冗談だというのに ―アルマイトの栞 vol.22

電子メールが登場してから、かなり仕事のしかたが変わったように思う。それまでは電話かファクスか郵便だったからね。微妙にリアルタイムのような、そうでないような電子メールって道具の登場は何だか不思議な気がしたものである。最初にメールを導入したのは10年近く前のことで、その頃のMacにはメールソフトもブラウザも入ってなかったので、自前でソフトを購入した。EUDORAってソフトである。これをかなり長い間使っていたので、その後Macを買い換えても新しいバージョンのEUDORAを手に入れていた。そもそもダイアルアップの時期が長かったんだな。時代である。

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答えられないこともある ―アルマイトの栞 vol.21

大勢の人前で話をしなければならないことが頻繁にある。そりゃあ大学で教員などをやっていれば当然のことで、毎週のように学生を前にして喋っている。こう云う仕事をしてもう随分の時間が経つ。過去に大学受験予備校の英語講師をして飢えをしのいでいた時期もあるので、かれこれ10年は越えている。その間に何も変わらないなと思うのは、生徒や学生たちがまず滅多に質問をしてこないと云うことだ。特に、こちらから「質問は?」と尋ねたときほど彼等は無言である。まあ授業で見られる光景としては珍しいことではない。

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会話の身体 ―アルマイトの栞 vol.20

子どもの頃から社交辞令的な会話が苦手である。いや、社交辞令的な会話に長けた子どもなんて可愛げがない。子どもは天衣無縫で好いのだ。「どんなかんじにする?」と尋ねる床屋のおじさんに「ウルトラマンみたくして」と云っても許されるのである。モヒカン刈りだよ、それ。大人は云わないほうが好い。人は成長の過程でいつしか社交辞令的な会話や振る舞いを身に付けるのである。しかし、どうも自分はそれを身に付け損なった気がする。

さほど面識の無い、会えば会釈をする程度の間柄の人から「暑いですねえ」などと云われる。そこで素直に「そうですね、蒸しますね」とでも返せば好いものを、そのコトバがすぐに出ないのである。「そんなに暑いかな」とか思ってしまうのだ。子どもだったら「ウチはボーナスでクーラーを新品にしたよ」と口走っても許されるだろう。だがこちらはもう30代半ば過ぎである。そんな非礼な返事も出来ないではないか。となると、一瞬口ごもって「暑いですね」とか云って会釈をしたり精一杯の作り笑いなどをすることになる。なんでもっと自然に出来ないのか。

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備品には予備 ―アルマイトの栞 vol.19

いろいろ事務的な仕事もあるので、銀行だの郵便局だのにも行かなければならない。いずれも徒歩10分圏内なので、散歩気分で出掛けるのが常である。大抵はそのついでに何か個人的な買い物をしたり、行きつけのカフェで珈琲を飲んだりして戻って来る。出掛ける前に用事の確認をして、時にはメモなどを書いて、抜かりの無いように出掛けるわけである。今日はプリンタのブラックインクが切れてしまったが、ここでも抜かりは無い。予備のカートリッジはまだ二つある。「さすがだ」と自分を褒めてみたりする。そして郵便局をはじめとして幾つかの用をするべく出掛けたのである。

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