漫画の妄想 ―アルマイトの栞 vol.116
2012年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。そして自分は年末に風邪をひき、半・寝正月だった。中途半端に外出して風邪をこじらせては寝込んだ。寝込んで、江戸川乱歩の『パノラマ島綺譚』や『芋虫』を読み耽っていた。風邪で寝込んだときに読む本としてはいかがなものかと、自分で思う。どちらの作品も、エンターブレインから出版されている丸尾末広さん脚色・作画の漫画版だ。ただでさえ耽美な原作だが、丸尾末広さんがそれを絵にすると、「耽美」の度合いも尋常ではなくなる。画集を眺めるように一コマ一コマに見入り、細部まで観察してしまう。「丸尾さんは一コマ描くのに何時間を費やしているのか」などと、どうでもいいことが無闇に気になったりする。