Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

笑える音楽 ―アルマイトの栞 vol.24

070729.jpg iTunes Storeを徘徊していてトンデモナイものを見付けてしまった。ラテンである。「セニョール・ココナッツ」と云う南米を中心に活動しているラテンバンドだ。ラテンであることじたいはとくに「トンデモナイ」わけではない。問題は彼等がYMOをカバーしている点である。ラテンアレンジのYMOだよ。想像すら出来ない。で、この『プレイズYMO』ってアルバムを試聴した。爆笑である。

ただ「爆笑」と云ってもね、楽曲じたいはイイんだよ。笑っちゃうけどイイ。YMOが見事にラテン音楽になっているのである。YMOをラテンでやろうなんて発想はどこから出てきたのか。バカなヤツがいるものである。ここでの「バカ」は褒めコトバだ。だいいちこのジャケットはどう云うことになっているのだ。頭にパイナップルが載っている。重そうだ。バナナは腰ミノにしても好いのだろうか。10本もぶら下がっている。ガッツ石松は「バナナが美味しいのは最初の20本まで」と名言を吐いたそうだが、この腰ミノではガッツ石松を満足させられない。それとも背面にも更に10本ぶら下がっているのだろうか。キャッチコピーとおぼしきコトバは「YELLOW FEVER」である。まるで「黄熱病」だ。このジャケット欲しさに、iTunes Storeで買わずにわざわざCDを購入した自分もバカである。

驚くのはこれだけではない。このアルバム、実は3曲ほどYMOのメンバー本人たちも演奏に加わっているのだ。つまり「本人たちが認めた」と云うことで、それはスゴイかも知れない。YMOには俗に「中期」と云われる時期があって、この時期の曲は暗くてシリアスな感じのするものが多いのだけど、そのあたりの曲までラテンになってしまっているのは何か大変な感じがするのだ。社交ダンスの「ラテン部門」とかで使われたとしても違和感が無い仕上がりである。出来れば竹中直人に踊って欲しい。ちなみにこの「セニョール・ココナッツ」はよほどテクノが好きなのかクラフトワークをカバーしたアルバムも出している。でも、ラテンなんである。テクノが好きなのかラテンが好きなのか。きっと両方とも好きなのだろうけど、それが音楽的に両立していることにはただただ驚き入るばかりである。

いつになっても明けない梅雨で気分が滅入っていたのだけど、この夏はラテンで乗り切ろう。

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