Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

STAGING No.15刊行 ―アルマイトの栞 vol.39

080110.jpg 気が付けばアッと云う間に新しい一年が始まっていた。今年もTetra Logic Studioを宜しくお願いします。このサイトでも紹介してきたけれど、年末に幾つかの仕事が実りを結んだ。その一つに雑誌「STAGING」No.15の刊行も加えておかないといけない。これは僕が今までフリーで受けてきた仕事の一つで、監修や巻頭連載の原稿を書いているのだけど、今号からはTetra Logic Studioとして協力をしている。まあ、雑誌として何か劇的な変化があったわけではないが、「関わり方が変わった」と云う舞台裏の事情である。

一応は「年2号刊行」を目標に掲げているのだが、どうしても「年1号」となってしまうのが実状である。別に関係者が怠惰だと云うわけではなく、これもまた編集作業の諸々で制約があると云う舞台裏の事情が影響している。とは云え、今回は2007年度の初めに企画を検討して、どうにか年内に刊行出来たので、ここ数号の中では早い完成である。いつもはどうしても年をまたいでしまうのだ。今回もその気になれば秋ぐらいには刊行出来ていた筈なのだが、珍しく僕が少し足を引っ張ってしまった。連載原稿の執筆と入稿まではかなり早いペースで進んでいたのだけど、その後の校正でズルズルと時間を掛けてしまった。編集デザイン事務所のライトハウス担当者であるKさんから再三に亘って督促をされる始末である。忙しい時期とバッティングしたとは云え、少し迷惑を掛けてしまった。しかし、ともあれ無事に刊行に至ってホッとしている。

この雑誌の認知度をもう少し上げられないものかと思う。今は発行元である舞台照明メーカーの東芝ライテックが企業PR雑誌として無料で配って回っているだけなんだが、欲を云えばそれなりの値段を付けて書店で販売をしたいのだ。あくまで僕自身の希望として。まあ、値段を付けると課税対象になるとか、企業経営上の問題もあるようだが、やっぱりこの雑誌を世間に広めたいんだよな。自画自賛だけど、面白い雑誌だと思う。それなりに「業界」では評判が好いのだ。

STAGINGに関わった当初、東芝さんから「この雑誌のイメージチェンジを」と頼まれ、丁度僕も何か雑誌媒体を作りたいと思っていた矢先だったから喜んで引き受けた。その時に意識した雑誌は当時ポーラが出版していた雑誌「is」である。それから、廃業してしまったがペヨトル工房から出ていた「夜想」とか「銀星倶楽部」。いずれにしてもサブカル雑誌だな。でも僕自身が十代後半に親しんだ雑誌だったし、きっと少ない予算で編集していたのだと思うけど、執筆陣の顔ぶれは多彩で豪華だった。ともかく、STAGINGをつまらない建築系雑誌にはしたくなかったのだ。低予算でページ数も少ないが、それなりに「文化」を標榜できる雑誌にしたいと思ったわけだ。

いまの段階で、STAGINGはちょっとした「舞台・劇場系サブカル雑誌」になっていると思う。これは目論見通りなんだけど、やっぱり知名度がねえ、今ひとつなんだ。でも知名度が高くなってしまったら、もう「サブカル」とは云わないか。今ぐらいの「マイナー系雑誌」で続けるほうが好いんだろうか。けっこうこの問題はジレンマである。70~80年代の「宝島」みたいな売れ方を目指そうとは思わないけどね。ただ、それなりに文化の牽引役と云うか、潮流を作り出す存在ではあって欲しいわけだ。微妙なバランスの上に立たないといけないってことだな。

そんなことを考えつつ、次号の企画の話を既に編集関係者としている。軽薄に流行を追わず、むしろ他の雑誌が「やられた」と思う企画を考えないといけない。そして「読者倍増計画」に繋げること。「残部僅少につき・・・」ってコトバを夢見る次第である。

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