映し出す光と映し出される風景(2/2) ―発見する場所07
場との対話01 雪原の古民家を使った映像制作イベントin 会津(後編)
前回に引き続き、今回の只見のイベントを通して、感じた場との対話について少し語ろうと思う。
東北の福島といえども実は雪に囲まれる地域はそう多くない。 この只見は、新潟との県境にあり数少ない豪雪地帯だ。 ここでは、雪は日常であり、生活の前提条件であり、通常仕方なく受け入れざおえない存在だ。 ただ、光が前面に浮かび上がり雪や古民家が後景となった幾つかの瞬間、今井さん自身も普段とは違う場所との対話があったように思う。
デジカメでライトアップの様子を撮る今井さんの姿は、単なる記録としての撮影ではなく日常の場を違った視点で捉え対話していたように思う。
光のインスタレーションの翌日の午後。 この今井邸まで1日がかりで除雪が行われた。 昨日まで重い機材をカンジキを使って上り下りをしていたのが嘘のように、車で10分弱で麓から今井邸まで到着した。 この日から今井邸には車で上がってくるのが前提になった。 普段の日常の環境が如何に限られた条件で作られているのかを実感した。
今回のイベントは、課題もいろいろあったが、テトラロジックスタジオとして場をつくり出す試みの小さな一歩がようやく踏み出せように思う。 ローカルなネットワークの集積からその場を読み取り面白い場が作られることも大きな経験となった。
最後になりましたが、コラボレーションのパートナーであるはりゅうウッドスタジオの皆さんや的確な指示を出してくれた撮影協力の唐鎌君、イベントのきっかけを頂きある意味主役となっていただいたJIA福島の地域会の皆さん、機材の協力やアドバイスを頂いたせんだい演劇工房10-BOXの八巻さん、亀山さん、ひたすら穴を掘ってくれた日本大学の渡辺君達、布沢地区の区長さん、そして今井さん御一家と古民家と雪。
皆さんにこの場を借りて御礼を述べさせていただきます。
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