Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

『新装大回転玉手箱』着々進行 ―アルマイトの栞 vol.58

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いったい何が「新装」で「大回転」なのかと書いたら、美術プランが二転三転する大回転になってしまった。そう云うことでしたか。でも、ともかく美術プランに対して作家の坂口瑞穂さんから「気に入りました」と連絡があったので、ほんの少しは安心した。しかし、こうも短期間に全く違うデザインをいくつも出している自分をいかがなものかと思ってしまう。「引き出しが多い」と云えば聞こえが好いけど、「信念が無い」と云われたらそれまでで、でも、ちゃんと瑞穂さんと何度も「キャッチボール」をした結果ではある。

今回の作品は音楽にかなり期待が出来るので、それに少し甘えたかもしれない。と云っても、まだ一曲も聴いてないのですけどね。でも今回の音楽が磯田収さんだと知った時に、音楽だけでも充分に魅力的な空間が現れると思った。「磯田収さん」の名前でピンとくる人はかなりマニアックな人だ。「モダンチョキチョキズ」でギターを弾いてた人です。

磯田収さんの名前を覚えていたのは、奇跡的な偶然である。十数年前、たしか『タモリの音楽は世界だ』を観ていた頃に、よく「モダチョキ」が出ていたのだけど、このバンドは大所帯なうえにメンバーが不確定で、毎回「本日のメンバー」とか云ったテロップが長々と流れ、最後に「以上20名」などと書いてある不可解な集団だった。その中にいつも「ギター:磯田収」と書いてあった字面をなぜかハッキリ覚えていた。試験に出ないことはよく覚えている僕である。

当時、ライブの見せ方として「モダチョキ」はかなり惹かれるものがあった。『オバケのQ太郎』の主題歌をビッグバンド風にカッコ好くアレンジして、コントを織り交ぜながら演奏していくやり方は、「ライブ」と云うより「ショー」と表現するほうがふさわしく、そのあたりに惹かれたのだと思う。少なくとも、「海原千里・万里」の『大阪ラプソディー』をカッコ好くアレンジした人たちって他に知らない。と云うか、ふつうは考えないだろう、そんなこと。

そんなわけで、『新装大回転玉手箱』は音楽にものすごく期待が持てるわけだけど、大変なのはそれを演奏する黒テントのメンバーだ。芝居もしつつ演奏もするって、かなり大変なんである。しかも踊る。これって、キッカケのタイミングがすごく難しいのだ。今日もみんなは稽古をしてる筈だけど、役者の宮崎恵治さんのブログを読む限り、すでに状況は「大回転」なことになっている。写真だけを見ると、「いったいこの人たちは何をしているのか」と云う状況だ。こんな大騒ぎが一つの作品にまとまっていくのだから、舞台はやっぱり不思議である。

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