Tetra Logic Studio|テトラロジックスタジオ

建築・舞台芸術・映像を中心に新しい創造環境を生み出すプラットフォームとして結成。プロジェクトに応じて、組織内外の柔軟なネットワークを構築し活動を展開。

満一歳 ―アルマイトの栞 vol.36

10月17日にTetra Logic Studioは満一歳になった。会社を作って一年が経ってしまったのである。いやあ、よく潰れずにここまで来たなあ。正直なところ、「会社を作る」ってことがどんなことだか解らずに突き進んだ一年である。お陰でいろんな社会勉強も出来た。何か、世の中の仕組みみたいなものがよく解ったのである。この歳になって、今更ながらの「総合学習」である。もう今となっては笑い話だけど、いろんな難関があったのだ。

会社を作るには「定款」ってものを作らないといけない。それを公証人役場ってところに持参して「公証」してもらうわけだ。その大事な日に、よりによって自分の印鑑証明を忘れた。まるで遠足の前の晩の様に何度も持ち物検査をしたのに、である。忘れ物をしてあんなに「青く」なったのは小学校以来だ。他の持参物はしっかり持って来ているのに、自分の印鑑証明だけをウチに置いてきてしまった。思いっきり顔が青ざめた。本気で血の気が引いたな。一緒にいたメンバーが云うには、「忘れ物」に気が付いた時点で僕はかなり挙動が怪しかったらしい。

そんなトラブルを乗り越えて、どうにか法務局へ登記に行く日は「先勝」だった。だから午前中に活動を起こしたのだ。法務局までは愛車の真っ赤なカブで10分。その道すがら、信号は全部青だった。カッコイイくらい幸先の好い道中だった。何だか自分に天使か何かが味方をしてくれているような気分だったのだ。天気は快晴。秋の風が心地よかった。

それでも提出した書類に法務局からツッコミが入った。登記の提出をした翌日に法務局から電話があったのだ。よりによって、幾つかある書類のうち、何が何でもワープロ打ちして出さないといけない書類に不備があると云うのだ。書類の罫線に文章の行間を合わせるのに苦労した書類である。「作り直しか、面倒くさいなあ」と思った。そしたら先方は「ともかく窓口に来て下さい。鉛筆で修正してくれればいいので」。役所って場所の妙な性質を感じたのはこの時である。だってさ、書類作成要領には「必ずワープロ等で印字してください」って書いてある書類の訂正が「鉛筆でいい」って云うわけだよ。それなら全部鉛筆でいいじゃないか。ともかく役所に出向いて鉛筆で修正をした。これはかなり釈然としない行為だったた。

そんなこんなで法務局への登記が済んで、税務署や社会保険庁への「法人設立届け」を出した。こちらの方が遙かに面倒だった。馴れない役所への書類提出である。きっと普通は行政書士とか司法書士みたいな人に書類作成を依頼するんだろうなあと思いながら自分でやったのである。正直云うと挫折しかかった。折悪しく、昨年の6月にバカバカしい仕事に関わったのが原因で神経性の急性胃炎を患い、それが切っ掛けで持病の神経症が悪化していた時期の僕に会社設立作業は少しばかり辛かった。胃薬やら安定剤やら睡眠薬を頼りつつ乗り切ったのだ。何だかさあ、自分を褒めてしまうんだよな。本当に面倒くさかったもの。

そして一年が経った。第一期の決算は爪の先ほどとは云え、黒字決算。いろんな人のお世話になっての一年である。この先、Tetra Logic Studioがどんな方向に舵を切って行くかは未知数だけど、皆さんの御支援も賜りながら軌道に乗せたいと思う「誕生日」です。今後ともTetra Logic Studioを宜しくお願いします。

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